2018年4月17日 (火)

消えて行った合唱団のこと

意味深なタイトルですが、本当は消えてはいないのです。

ゲッティンガーが歌っていたシュッツの曲でYoutubeをさまよっていたとき、たまたま見つけた古い画像が気になりました。

モノクロ写真で作った動画は、1957年の録音でした。ドイツにはたくさんの合唱団や聖歌隊があります。聞いたことのない名前だからって、無名の合唱団とは限らないし、自分が知らないだけのこと。

ただどうしてそんなに古い録音なのかが引っかかる・・・いくつかの動画の録音は1962年とか64年とか・・・。それでググってみることにしたわけです。

そして、そして、その合唱団が今は「無い」ということがわかったのです。

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Laubacher kantorei といいます。ラウバッハはフランクフルトの少し北にある都市です。ドイツ福音主義教会の聖歌隊をカントライというそうですね。(指揮者はカントール)

残された録音は少ないですが、その中でバッハやシュッツを歌っていました。


J.S.Bach - Ich lasse dich nicht


Heinrich Schütz - Cantate domino 

記録を読むと、閉鎖されたという言葉に行きつきました。学校の閉鎖に伴い、合唱団は解散したと思われます。

1949年に設立され、1981年に閉鎖となっていました。その合唱団は今もHPを持っています。卒業生が運営している同窓会という形です。

そこにコンサートのライブ録音が音声のみですが、10曲あまり残されています。

ライブ録音には、バッハのモテット6曲がありました。私のバッハ入門編です。それが古い音なりによかったので、ついでにシュッツも聴いてしまいました。

かつての学び舎の跡地は大規模な集合住宅に変わったようです。でも合唱団はアーカイブから画像と録音とで存在を残し、YouTubeに数本のクリップを挙げています。HPはドイツ語なのでパソの翻訳でなんとかざざっと把握した程度です。詳しくはわかってないのですが、同窓生によるアンサンブルで歌っているかたもあるみたい。

ドレスデン聖十字架合唱団のイメージが強いこの曲 「Alta trinita beata」もありました。合唱たる合唱・・・変な言葉ですが、こういう合唱はいいな、これぞ合唱だなと思いました。
そういえばクロイツは日本でも歌ったけれど、入場しながらの歌だったので、拍手にかき消された・・・

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ウィーンの森はどうだろうと思いHPを探しましたが、残念ながら見つからず。

アメリカ少年合唱団はFBのみ今もあり、closeのご挨拶が最後の更新になっています。


American Boychoir "God Be With You Till We Meet Again" 《Randolph》

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2018年4月14日 (土)

les Pastoureaux レ・パストゥロー (Petits Chanteurs de Waterloo)

最近の映像で素晴らしく普通に美しいボーイソプラノを聴きました。普通にというのは誉め言葉です。大人顔負けとかじゃなく、怪物的でもなく、少年らしいたたずまいの中で美しく歌っています。今しか出せない声ともいえますよね。

合唱団の名前は、標題のとおり、通称と正式名称とがありました。

ワーテルロー少年合唱団(Petits chanteurs de Waterloo)

ワーテルロー → ナポレオン →フランス・・・で、シンプル脳みその自分はワーテルローがフランスだと思い込んでいたのです。ベルギーなんですね。今日はワーテルローの少年合唱団です。レ・パストゥローとは、羊飼いとか牧童な意味ですかね。

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https://www.facebook.com/pages/story/reader/?page_story_id=1398519636862754

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少し前パリ木にアルトの良い声の子がいたとき、この曲を歌っていました。全体的な合唱(ハミング)も当時のパリ木を思わせる雰囲気です。


"Teče, voda, Teče",  Bordeaux Cathedral 2015.08.15

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この合唱団は1993年に来日しているそうです。だから・・・なのか、こんな歌を日本語で歌っているんです。「歌え バンバン」

これは2014年の映像なのです。びっくり!  ブリュッセルで行われたクリスマスコンサートです。なんで日本の歌? しかもクリスマスと関係ないし? おそらく来日したときに覚えたのではないかと思うのですが、来日自体知らないので何とも言えない。

HPを見ると、世界一周というCDタイトルの中で録音もしていました。

この歌は山本直純さん作曲、NHKみんなの歌で放送され、音楽の教科書にも載っていたそうです。今も載ってる?

この指揮者さん楽しそうでいいなあ。なんか出だしのところの振り方デルシーヌさんを彷彿とさせる。すごく気持ち良さそうに振ってます。Philippe Favette指揮者です。

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先日FBでソロ映像をみたときは、ベルリンフィルのサイトからこの合唱団のほか、4つの合唱団と歌手、オーケストラとの共演ライブでブリテンの「戦争レクイエム」を、ネットで無料視聴できたそうです。

https://www.digitalconcerthall.com/ja/concert/51009

今は編集準備中になっているのでもしかしたら、あとで見られるかもしれないですね。

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大好きな「ラシーヌ讃歌」もCDにしています。素敵でした。

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そして最後は・・・これが傑作なの。彼らのツアー先一覧がHPの世界地図に表示されているんです。そこに、南アフリカは入っていない。

なのに、歌ってる!勿論振りつき。先生じゃなく上級生がリードしてるのが、またドラキーズっぽくて面白い。これはフランスの海岸です。小さい子達が可愛い!


Hamba Nathi

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2018年4月 9日 (月)

ゲッティンゲン少年合唱団のCDと、東京カテドラル公演動画

会場で一枚購入したCDがすごくよかったので、ちょっとご紹介。

コンサートが始まる前だったかな。鎌倉では帰りに見たときすでに2~3枚しか残ってなく、それもあらあらと思う間に人の手に渡ってしまいました。なので茨城では先手必勝に出ました。

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内容はどれも宗教曲が収録してある感じでした。ところがゆっくり見ていたら、どんどんなくなっていくんですね。受付のかたに「ゲッティンゲン」という曲は入っていますか? なんて訊いていたら、もう全然手遅れになってしまい、あわててこれを確保しました。先手必勝じゃなかった・・・

内容がわからないとしたら、これ買いますよね。お得意のジャケ買いです。最後の一枚でした。

チェックするまもなく買ってしまったのですが、なかなか良くて気に入っています。

今回のツアーで歌われた曲もいくつかありました。あと、すごく好きな曲もありました。タイトルがパリ木の録音とは違っていたので、まさか同じ曲とは思わず、本当に感激です。

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1 Livre vermell: O virgo splendens
2 Livre vermell: Mariam matrem
3 Heinrich Schütz: Meine Seele erhebet den Herren
4 Maurice Duruflé: Ubi caritas
5 Ernani Aguiar: Psalm 150
6 Johann Steuerlein: Mit Lieb bin ich umfangen
7 Melchior Franck: Kommt, ihr G'spielen
8 Friedrich Silcher:Untreue
9 Hellmut Wormsbächer:Dat du min Leevsten büst
10 Franz Herzog:Im Märzen der Bauer
11 Franz Herzog:Schwefelhölzle

G.F.Händel: Aus dem Oratorium "Messiah"
12 And the glory, the glory of the Lord
13 And he shall purify   
14 For unto us child is born
15 Glory to God in the highest

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トラック15まであります。トラック6から11までが民謡です。あとはご覧のとおり、モンセラートの朱い本から2曲、このCDのタイトルにもなっているシュッツの作品、デュルフレのユビ・カリタスなど、そしてメサイアからの抜粋となっています。

パリ木が「J'entends une chanson」として録音していたのは、トラック6の「Mit Lieb bin ich umfangen」です。自分は古謡という認識しか持たなかったのですが、実はドイツの歌でパリ木の動画のなかにもドイツ語タイトルが入っているものがありました。

フランス語とドイツ語と、両方聴いてみました。


solo:Alban  ミリィ・ラ・フォレ2015.06.06の映像


Youtubeで直接見るとドイツ語の歌詞が記載されています。

トラック8はツアープログラムにあります。「Untreue」を裏切りと訳してありました。恋人に去られた男が、後引く思いを歌った内容なんですね。それで「不実な人」ともいわれるそうですが、ウィーン少の録音では詩の一行目、「In einem kühlen Grunde」をタイトルにしていました。

この歌です。懐かしい映画「野ばら」「ほがらかに鐘は鳴る」から歌唱のシーンだけ切り取ったものです。 追記: 映画のタイトル間違えました。ご指摘ありがとうございます!

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トラック9は初めて聴くメロディでした。18世紀頃の歌だそうですが、映画で使われそうな新しいコード進行みたいで古さを感じない。エンドロールで流れたら感動しそうな歌ですよ。

この曲のタイトルがうちのパソ子で翻訳すると、ただカタカナ表記されるだけで、一向に日本語になってくれない。コンピュータはドイツ語として認識していないのかな。もしかして方言だったりする?と思い、ちょっと調べてみました。

「Dat du min leevsten büst」は、 Dass du mein Liebster bistの意、英語ではThat you are my dearest oneといった意味合いです。北ドイツ地方のラブソングだそうで、やはり方言でした。

ゲッティンガーの歌は勿論ネット上になく、近い雰囲気のもなく、若い人の歌から選びました。優しい旋律で心がいやされますね。

ドイツやオーストリアの合唱団が歌う民謡集の録音は70%くらい同じような曲なんですね。でも残りの30%に地域性や選曲の個性が出て楽しい。いろいろな合唱団を聴いてみるべきと改めて思います。ひとつ好きな曲があるだけでも、その合唱団の好き度がかわっちゃう。

ゲッティンガーの歌は、無機質な歌ではなく、宗教曲にしても温かみを感じます。だから歌を聴きながら泣いてしまった。シュッツは、正直私は眠くなることもあるのですが、このCDのMaine Seele~は6分25秒もあるのに、ずっとときめいていられます。合唱が絵画的なんです。私は音楽に関しては素人ですから、自分の感性で好き嫌いだけで聴いています。このシュッツは飽きない。ボーイズの声は特段美声というほどではないと思います。子どもらしい肉声を感じるくらい身近な声なんですね。でもテナーとバスは秀逸で、人間界の声を天上の声が支えながら、神の領域の合唱に昇華していくコーラスです。その声を聴きながらどんどん引き込まれて、あっというまに6分が過ぎました。

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ここで東京カテドラルでのライブ動画をご紹介します。1曲だけですが公式からアップされました。

団員たちは「Evening rise」を歌いながら入場し、客席を取り囲むように外側の通路に等間隔で立ち歌い続けました。私たちは全周から彼らの歌声を聴いていたのです。その迫力を想像してください。歌い終えると左右から祭壇に向かって歩を進め立ち位置を決めました。

これは第1曲目の演奏です。

私は右側の2列目にいます。この画面にも後姿がみえる。こうして見ると演者と近いですが、実際は適度の距離があります。これを見るたび思い出すことができますね。

ソロが聴けましたね。第一声のソロは緊張感でふるえているように感じました。センターから少し右の少年です。そのあとソプラノソロも聞こえましたが、それは誰だかわからなかったです。左側に声量も声質も他の会場では目立っている子がいましたが、彼かどうかはわからない。

こうして映像で見てもスペクタクルみたいなこの聖堂が、彼らの日本ツアーのファイナルだったのです。ここで歌いあげて、今回のツアーに幕をひく。異国から来た10代の若者たちの気持ちを考えると、今もドキドキしてしまいます。

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この合唱団のCDですが、ドイツのサイトで買えるかと思っていたら、どうもなかなか見つからない。どこにありますか?

ライナーノートを広げて裏返したら、こんな全員の写真がありました。軽くポスターになりそうな・・・。

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2018年4月 5日 (木)

ゲッティンゲン少年合唱団 日本コンサートツアー

ドイツのゲッティンゲン(Göttingen)市で活動する少年合唱団が3月17日から4月2日まで日本ツアーを行いました。

ドイツ語表記ではGöttinger knabenchorといいます。

今回この合唱団はツアーブログを書いており、それをうちのパソ子で自動翻訳すると、とんでもなくやっかいな日本語になってしまう。無理~と云うところで、ブロ友さんが毎回忠実に翻訳してくれました。ドイツ語特有の表現については注釈入りです。ありがたや~。

おかげさまで彼らの日本での生活とか考えかたがわかるようになり、親近感もわきましたし感心する部分も多くあり、予定していなかった水戸市での演奏会まで足を運んでしまいました。

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ゲッティンガーの最初の公演は徳島でした。次いで広島、京都、桜の開花とともに日本を縦に旅しながら鎌倉から日立へ、そして水戸ではイースター礼拝奉仕を行い、最終地東京にたどり着きました。

多くの方々の寄付金によってこのツアーが実現したそうです。クラウド・ファウンディング、インターネットで広く支援を募ることができる時代になりました。賢さと倹約と実行力とで9歳から25歳までの60人近い若者たちが、協力しあいながら日本の春と文化を楽しみ、各地で素晴らしい演奏を聞かせてくれました。その形にいたく感動した自分です。

ブログを読まなければそこまで知ることはできなかったので、丁寧に翻訳作業を続けてくれたブロ友さんに感謝しています。実は最後の仕事がまだ終わってないのです。ツアーブログの最終回がまた更新されていたそうなの。合唱団は帰ってしまいましたが、私の感動はまだ続くのです。

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さて、コンサートのテーマは「平和を与えたまえ」

プログラムには大きく ラテン語でDONA NOBIS PACEM

ドイツ語のGIB UNS FRIEDEN 英語のGRANT US PEACEという文字が併記されています。

コンサート会場はほとんどが教会でした。そして演奏の途中ではDona nobis pacem を会場全体で歌いました。合唱好きな私たちは日ごろから宗教曲を聴いていますし、教会に通われている方は讃美歌や聖書を身近に置いているので、無理なくこのラテン語の歌が出てくるのです。

演奏されたのは宗教曲と宗教的な民謡、伝統的な民謡、日本の歌、現代のポップスなど多岐にわたりました。レパートリーの中から日 替わりで多少の変化を持たせながらの演奏会だったので、世話役の日本の牧師さんが説明をしてくださるのですが、ちょっとわかりにくかったです。笑coldsweats01

説明自体は簡明でした。ただプログラム冊子の英語と日本語の対訳が文字数の関係で微妙にずれを感じて、今どこをやってるのかなと時々迷ってしまう。なので曲目だけは原題の下に邦題を並べてもらったほうが、わかり易かったように思います。

この合唱団は1962年に Franz Herzog フランツ・ヘルツォークによって設立されましたが、この人物はドレスデン聖十字架合唱団の出身だそうです。ドレスデンで指揮者になるべく研鑽を重ねマウワースベルガーの代理を務めたこともあるそうですが、世界大戦後に西ドイツに留まり、その後この合唱団を創設したのだそうです。

言われてみるとクロイツの片鱗を感じさせる歌声ですが、より柔軟で広がりを持っていると思われます。クロイツは精緻で完璧で崩しようがない。 いえ、崩す必要はないですが、ときたま窮屈になってしまう。(反対意見もあろうかと思います。これは私の感性、軟派です)

今回のツアーで、鎌倉の雪ノ下教会、茨城キリスト教学園講堂、東京カテドラルマリア大聖堂の3箇所のコンサートに行きました。全て入場無料です。

ドイツ民謡ではWSKも歌っている「Die Untreue」の合唱や、少年たちの声で「茨の森のマリアさま」が聴けて嬉しかったです。 Untreueは裏切りという邦題になっていましたが、ウィーン少では In einem kühlen Grundeだったと思います。

合唱として秀逸だと感じたのは編曲の妙にもよりました。「月は昇りぬ」Der Mond ist auf gegangen や「赤い雲」Rote Wolken im Himmmel など編曲で印象が変わっています。ハーモニーから生まれるふくらみが、素朴な民謡を歌曲として成立させていました。その編曲を残したのは、合唱団の創設者ヘルツォークなのです。

宗教曲ではモンセラートの朱い本、バッハのモテット、ヘンデルのオラトリオ、メンデルスゾーンの詩篇100など。なじみのある曲もありますが、ヘルツォークとバッハを交互に歌いますとか言われると、もうそのあたりになると混乱してしまう情けない自分・・・。

そんなわけで、どの曲だったのかわからないのもありました。会場でCDを一枚購入したので、そこに収録されている曲なんかは参考になりました。YouTube聴きまくったけれど、意外と動画が少なくて、浅知恵のためお話しできるレベルに上がれなかったです。

プログラムに記載された記事から得たことは。ゲッティンゲンで毎年開催されるヘンデルフェスティバルにこの合唱団が参加していること。今回聞かせてもらったオラトリオからの2曲がそれを物語っています。

そして日替わりで数曲ずつ歌われた日本の唱歌ですが、実は5曲も候補があるんですね。さくら、砂山、村祭り、ふるさと、紅葉、こんなに練習していてくれた。

合唱団のFBが今日シェアしていた、Sanctus(Püha) を聴いてください。わりと新しい映像なので今回来日したメンバーもいます。

この合唱力に圧倒されてしまうのです。ボーイズとお兄さんとの混声が心地よい周波数となって、波のように押し寄せるの。

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「Püha」はまた、地元の少年少女合唱団や合唱部との共演でも合同で歌われました。

4月6日追記:羽田空港でも山本牧師のためにこの曲が歌われたそうです。

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カテドラルで聞いた彼らの歌は、あの残響が大きな味方となって、すべての余韻が消えるまで、「聴いていたい」という気持ちを保っていられました。幸せな時間でしたね。

男声コーラスで涙が止まらないのです。こんなことって今までない。Ubi caritas ・・・シューべルトコアが歌ったので覚えていました。WSKはボーイソプラノです。シューコアの高めの声が、それだけで存在感のある世界ですが、ゲッティンガーの兄さんたちはとっくにソプラノを卒業しています。

シューコアの演奏では繊細で静かなイメージが強かった曲。ゲッティンガーの表現力にはただ圧倒されるのみでした。人数は20人余りで高校生の年齢層も多いですが、もっと上の人もいます。声量もありより安定した声が出せるのでしょうね。単調な旋律で始まり、最大のポイントまで途切れることのない声の伸びが、こちらの精神の高まりと同期していきます。そのあとの転調で柔らかな光がさす感じ。ハイテナーの方が左の端に一人、でもそんなに目立つ存在じゃない。バランスが素晴らしく、そこにマリア大聖堂の響きが加勢しました。技術に加えて、力強さと優しさと歌への思いや感謝の念によって、この演奏が生まれた・・・そんなふうに思います。

「慈しみと愛のあるところ、そこに神がいらっしゃる」と歌われます。説明文を引用すると、『古くから伝わる式文であり、今もなお絶えることなく、新しい旋律がつけられ、歌われている --なぜなら、愛と平和を求めるために必要な答えを、それぞれの世代が自らみいださなければならないからである。』 と書かれていました。

この文言を形にしたのが、彼らの演奏でもあったのです。そんな歌声を聴けて申し訳ないくらいの気持ちになりました。

まだ4月になったばかりで、もう今年の一番が決まってしまった。しかもボーイソプラノ以外にガツーンとやられてしまいました。思うのですが、15,6歳から20代前半の若者たちの声って、フレッシュなんですね。鮮度? 年寄りには辛いワードですが、その美しさっていうのはあると思います。見た目じゃなく、声の話ですよ。(・・・見た目も確かに美しくかっこいい)

ゲッティンガーの音は、曲によりシュトリグロス氏が率いていたポズナン・ナイチンゲールを感じさせたり、ドイツ民謡を歌うときにはレーゲンスのソフトなイメージも思い出す。ある時はクロイツの清澄なハーモニーだったり、このツアーで歌われた「村祭り」ではドラキーズと同じアレンジで、彼らに負けないパワーと美しさを持っていました。

小さな教会では音響の問題もあり制限されてしまいますが、カテドラルでは存分に歌えたと思います。そこで私が体感した奇跡は、私の耳が覚えていたいくつかの合唱団の音とのシンクロでした。ポズナンなんかはライブは知らないので想像にすぎないのですが、蘇る音とでもいいますか? それゆえ感動も大きかったです。

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レパートリーの中に「ゲッティンゲン」という曲があります。シャンソンなのです。

バルバラというフランスの歌手がゲッティンゲンで演奏を行ったときのエピソードと、この曲の訳をされた方のブログを見つけました。歌詞は本当に知ってもらいたいので、是非そちらに立ち寄って読んでください。

http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-597.html

バルバラはユダヤ系だったため辛い戦争体験をしているようです。この曲もまた、平和への願いが込められているんですね。

ゲッティンガーはドイツ語で歌いますが、それも素敵なのね。もの悲しいワルツを少年たちとたくましい青年が歌う。ときおり高音が小鳥のさえずりのように響きます。黄色いユニフォームの子どもたちが、カナリアみたいに歌うんですよ。好きだなぁ・・・この曲。でも会場で販売していたCDには、たしか収録していなかった。録音があれば是非ほしいですね。

合唱団はどの会場でも記録をとっていました。カテドラルでも自主的にビデオ撮影をしていたので、いずれYouTubeで公開してくれるんじゃないかと期待しています。どれもよかったけど、私の「二大聴きたい」は、「Göttingen」と「Ubi caritas」かな。

水戸中央教会ではイースター礼拝の奉仕がありました。黒ポロシャツの胸には合唱団のマークがついています。団員たちもお小遣いの中から献金していましたよ。教会から可愛らしい絵が描かれた、イースターエッグのプレゼントがありました。

4月6日追記:ツアーブログによれば、合唱団はこの小さな教会が揺れないように歌ったそうです。smile 建物は揺れなかったけれど目の前で歌われる若い熱気で、きっといつもは静かであろうこの教会がホットな空間になっていたことは確かです。

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カラフルなイメージのイースターですが、春の花、太陽の色はやはり黄色ですね。その黄色いユニフォームのゲッティンガーは、私にとって歌うカナリアであり幸せの黄色いハンカチでもありました。

基本的にはアカペラですが、カテドラルではオルガンもありましたし、ドイツから随行したピアニストのナタリアさんの伴奏も良かったです。古典的な音を奏でられる方という印象でした。

指揮者のMichael Krause ミヒャエル・クラウゼ先生も気さくなお人柄で、ドラケンスバーグに行ったときワインが美味しかったそうです。

そうそう!コンサートの後には数人の団員が募金箱を持って立ちます。旅費の足しになったでしょうか? 倹約生活の中で、日本のおいしい食事も味わえたでしょうか? 母心で心配になります。宿泊先を知っていたら、イチゴジャムの大瓶を届けたかったです。(ブログに朝食のトーストに塗るジャムが足らないと書いてありました。)

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桜とともに日本にやってきて、散りゆく桜を残して帰っていった合唱団。溌剌とした印象と歌の実力を感じた合唱団でした。

日本に来てくれてありがとう。

本当にありがとう!

ゲッティンゲンに戻ったら、またそちらの春がやってきますね。時々日本の春を思い出してください。

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カテドラルでコンサート終了後の撮影。ベレー帽は共演したNHK水戸児童合唱団の皆さん。

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2018年3月30日 (金)

Easter Sunday * Nidarosdomens Guttekor

今年は4月1日の日曜日、イースターです。

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ニーダロス大聖堂合唱団(Nidarosdomens Guttekor )のビデオが静かに美しい。、北欧の自然と紫色のカソックが融和し、素朴なつくりの十字架を持ち連なって歩く聖歌隊の隊列に、まだ冷たいであろう風が吹きつける。ドイツやオーストリアよりさらに北の国のイースターはどんなだろう。

生命の喜びを感じる季節・・・。

曲目は以下によります。指揮: Bjørn Moe

  Pie Jesu (Webber) 

  Panis Angelicus

  O Jesus Krist, jeg flyr til deg

  Ave Verum Corpus

  Agnus Dei(Hummel)

  The lord bless you and keep you (Rutter)

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note clover note clover note clover  Solo: Haakon Sørby.

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