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2014年6月20日 (金)

WSK6月15日オペラシティ・・・・最高のステージ

 2014年日本ツアーの最終日、クラシックの殿堂オペラシティとは思えないほど、ポップではじけるようなフィナーレを届けてくれたハイドンコアでした。もう4日もたつので、会場にいらした皆さんの中にはクールダウンしている方もあろうかと思います。

 私自身はあの日あんまり楽し過ぎて、心がロス状態になってしまい、涙腺がこわれたように思い出しては涙、CDを聴いては涙でした。ようやく落ちついたかなという今日、仕事で久しぶりに辛いと思うことがあり、たちまち救いを求めるように再びハイドンコアの歌を聴いています。

 15日はAプログラムでした。今回のツアーで最初に聴いたのは4月26日越谷サンシティでした。ヴィルト氏の難解メロディでチャン先生のパワフルなピアノに圧倒され、銅鑼や太鼓が鳴る中で、ルーカス君タミーノ君のデュオを聴いたとき、アルトパートでありながら声の響きはソプラノという二人に驚かされました。あれから1カ月半、子どもたちの歌はまとまりと拡がりを持ちながら変わった行きました。また、チャン先生はガルスの「この日こそ」やヨーデルで、舞台上だけでなく1階通路や2階席の空間まで使って、合唱の可能性を引き出してくれました。天井から降りてくる歌声は、まさに天上の天使たちの声に他なりませんでした。会場はそのたびにざわめき、舞台の団員たちはその反応を楽しんでいるようにも見えました。離れた位置で指揮をするのは難しかったことでしょう。先生の表情がそれを物語っておりました。ですが、結果としてホールは素晴らしいハーモニーで満たされ、私はヨーデルを聴くのがいつも楽しみでした。

 「アヴェ・マリア・マハラシュミー」でMC担当、ルイス君のヒーリングヴォイスも聴き納めとなりました。「僕たちは皆~」という言葉が彼のくちから聞かれるたびに、客席は暖かい空気に包まれました。この歌でセリフが日本語だったのは面白い試みでした。ジーノ君はミニフローリアン君からマイクを受け取りましたが、一歩一歩おどけたように歩く姿が可笑しくて、あの日ジーノ君はご機嫌でしたね。

 第二部ではガブリエル君がアコーディオンを弾く前に、ドイツ語で掛け声をかけていました。なんて言ってたのかなあ?そして「ウン・ポキート・カンタス」を歌っていたときのファビアン君は、たぶんボンボンボンみたいな低音部だったと思うのですが、肩をゆらし顔は勿論変顔で前日よりさらに傑作でした。美しい人なのに、どうしてかヒョウキンになっちゃうんですね。Youtubeでこの歌を聴き、すっかり歌詞を覚えてしまいました。♪Un poquito cantas   Un poquito bailas   Un poquito lelora   Como un canario.  Lelola, lelola, lelolelo lelola,. Lelola, lelola, lelo lelola♪ ちょっと歌ってちょっと踊ってカナリアみたいにって感じでしょうか。可愛い歌詞ですね。

 「山賊のギャロップ」のあと、先生がメモ用紙をだしてマイクを持ちました。ついにセリフの暗記は諦めたかなと思いきや、違った。「これから4人の子どもたちを紹介します。ウィーン少年合唱団の4年生です。本日この公演が団員としての最後のコンサートです。」そう言ってフローリアン、ファビアン、ダニエル、フリッツの名前を呼びました。進み出た4名をねぎらうように、大きな拍手が起こりました。卒業おめでとう!

 4人が列に戻り「美しく青きドナウ」が始まりましたが、ソプラノ側のドアが開き、美しい女性が入場しました。今回のツアーに同行している教育係のTinaさんが民族衣装を身につけています。そうしてファビアン君が彼女の手をとり、ワルツを踊りだしたました。お似合いの背格好で素敵でした。列に戻ったときのファビアン君はしきりに照れていました。14歳ですものね。

 アンコールは「尊い人生」「Let it go」。ファビアン君が涙をぬぐっているのが見えました。鳴りやまぬ拍手の中先生が指示を出すと、子どもたちはぐるっと迂回しながら舞台の袖にっ引っ込みました。次の瞬間ドアが開き、いつものプラカードを持って再び入場。ガラガラみたいなものを持っている子、折り紙でおった四角い容器を持った子もいます。客席は固唾をのんで見守っていました。

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すると、現れました。またおあいしましょう の文字が!とたんに歓声が上がります。ガラガラみたいな形のクラッカーからはカラフルな紙テープが客席に向かって投げられ、四角い容器には紙吹雪が入っていて、手作業で一振りふた振りまき散らしていました。いよいよ大きな拍手が沸き起こります。それから例のトランクをガブリエル君(たぶん・・・)が先生に渡しました。キャッチした先生がにやっと笑ってこちらを見ます。再び歓声が上がりました。「ザ・ロゲストタイム」を、聴くことができる!場内大喜びです。

 フローリアン君の口笛が終わりトランクに腰かけると、「ダッタ~ラ~」とガブリエル君の声がかかりショーの始まりです。今までのコンサートでは、わりときちんと聴いていた人たちも、このラストステージだけは無礼講と言わんばかりに手拍子を打ってみんなノッリノリです。子どもたちは、ステージに散った紙吹雪に足をとられながらも懸命に踊ってくれました。フローリアン君のダイブやリフティングのときには拍手もおこり、会場のテンションはこれまでのコンサートとは全然違っていました。最後にブラボーの声が何度も起こりました。フローリアン君が舞台中央に立ち、客席からは全員に向けて拍手拍手・・・。私のようなおばさんがこれだけ感動するのですから、感受性の強い子どもたちの喜びや楽しさは測り知れないと思います。

 素敵なコアでした。ソリストがたくさんいて、兄さんたちは皆イケメン、弟君たちは皆愛くるしい。アーティスティックな先生はピアノとチェロを奏で、合唱の指揮でも力量を発揮されていました。あるところでは自由に歌わせ、自身は袖に引っ込み、あるところでは慎重に指揮をする様子が印象に残りました。
 何よりも嬉しかったはジーノ君の声に出あったことです。ジーノ君が歌った「おおシェナンドー」の最初の出だし、あの声に泣かされた人は私だけじゃないと思います。「春の声」も曲の持つ華やかなイメージが、優しい花咲く春に変わったような気がしました。例えばあと1年くらいたったら、ソリストとしてもっと磨きがかかるかもしれない。でも私には今の声で充分です。少年の日の一瞬のきらめきとでも言いましょうか。私は12歳のジーノ君の声と、舞台の真中に立って一人で一生懸命に歌っていた姿を忘れない。そしてハイドンコアの24人の少年たちと、彼らのハーモニーの生みの親でもあるチャン先生に感謝します。

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コメント

始めまして、キンゴジュと申します(^^)自分も複数回コンサートに行き、特にシェナンドーのジーノ君の歌声に感動しました。
今年はソリスト集団と呼べるほど歌える子が多かった中でも彼の歌声はまた特殊な魅力がありましたね。僕も今の彼の歌声で充分だと感じます。もう少し成長して声が安定すると、子供っぽさが失われてしまう気がしますね。
本当にボーイソプラノは一瞬だけ光る流れ星のようなものですね。帰国して一週間が経ち寂しい気持ちはぬぐえませんが、その一瞬を見れた幸福感も感じています。最高の時期に来日してくれました。
とにかく、ありがとう!と伝えたいです。

投稿: キンゴジュ | 2014年6月23日 (月) 07時08分

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