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2015年5月27日 (水)

WSK*5.25*サントリーホール

追加オーダーしたので良席は望むまいと思っていましたが、取れた席が思った以上に良かったので、場合によっては1階席にこだわることもないですね。

ソプラノ側だったので、アルト側のステージが斜め前方に広がっています。手前にはソプラノの列が立つステップが置いてあり、後ろに楽器を置く椅子が数脚、ステップと同じアールを描いて置いてありました。

やがてアルト側のドアの所に団員の姿が見えました。あっ、始まる! 静かに歌いながら中央に進む少年たち。その時奇跡が起こりました。・・・私にとっては念願かなっての、無拍手鑑賞。

これまでは歌いながら入場するとき、必ず拍手がおこり、コーラスはその拍手にかき消されてしまうのです。でもこの日ほんの一瞬数人の拍手はありましたが、すぐに静まり、訪れた静寂の中で、思う存分「Gaudete」の演奏を堪能することができました。

もし拍手が長く続いていたら、ヴァレンティンやパウルのソロはどうなっただろうと思います。フィリップ、ミヒャエル・・・次々とソロが聞こえてくる。クレメンスの太鼓、エマヌエルのタンバリンが鳴る。アカペラで無駄なものをそぎ落とした珠玉の合唱です。「今日はきっといいことがある」そんな気持ちでした。

続いて先生の挨拶は、超ハイテンション。マノロ先生はバリトンからハイテナーまで七色の声を操ることができるようです。

「サバの人々は来たる」 映画「青きドナウ」を見たことのある方にとっては、特別思い入れの強い曲ですね。フィリップ君が一歩前に進みでて、立ち位置を決めました。その姿が凛々しくて目が離せない。この景色は、今回の席ならではです。ソロがまた素晴らしくて、2階席特有の響きでしょうか。すごい声量です。ホールの音響の良さを改めて感じました。

プーランクとウェッバーの曲紹介はジョンミン君担当。彼の日本語は誰より日本人的です。周囲から上手ねと言う声も聞こえました。「皆さまに届くように心をこめて歌います」 ←実際はもっと長かった。ちょっと省略してます。 

「ピエ・イエス」の演奏は、パウル君とフィリップ君のデュエットでした。堂々たるフィリップ君の声によりそうような繊細なパウル君のソプラノ。二人の声が合わさった時、天上のハーモニーが生まれました。
フィリップ君のソロは不動ですが、第2第3のソリストたちは、いつ何時も歌えるように練習しているのでしょうね。今回のツアーでも、日によって変わる何人かのソロを聴いてきました。それが楽しみでもあります。どんどん成長していく子供たちを、毎年ツアーのたびに感じるのです。

歌い終えて握手やハイタッチする風景も、マノロ先生が子供たちの頑張りに「Good job」と言っているように思えます。

ヴィルト先生の難解オリジナル・・・「My Song」の前に、リュウセイ君が解説。

バイオリンはフランチェスコ君、詩の朗読はランス君。今回の席はバイオリンを弾く様子も良く見えます。もう観察といってもいいほど、じっと眺めてました。少し後ろ向きに見える位置ですが、弓さばきが見えるのでいいですね。

聴くのは二度目ですが、前回気付かなかったことを書きます。
この曲は「少年たちの声ありき」で、作られているのではないかなという点。
普段は旋律をあまり歌わないアルト、この曲ではアルトだけの声も聞こえたと思います。
ちょっと変わったリズムの中にソプラノが生かされて、絶妙というか微妙というか、かなり難しいタイミングでバイオリンが入ります。すべての音を主役にするために、主旋律がどれかわからない状態で、凡人の私にはやはり難しかった。でもランス君の朗読は、一筋の光のようにまばゆい天使の語りでした。時々つっかえるけれど、それがまた音楽的なの。

クラトホヴィルの「Jubilate Deo」、2階席に響くコーラスの美しさに酔いしれていると、突然低いうなり・・・そして揺れ始めました。大きい、しかも長い揺れで、 天井(舞台の上)につるさがった装飾などがジャラジャラと音をたてていたように思います。見上げるとそれらも揺れていました。正直言って私は怖かった。

でもマノロ先生は、こともなげに指揮を続けました。子供たちも、最初の一瞬上をチラ見した子もいましたが、ほとんど動じない様子で歌い続けました。むしろこちらが、大丈夫よと勇気つけられるような状況で、私の右手は2階バルコニーの手すりをぎゅっと握りしめておりました。

演奏が終わった時、マノロ先生はいつもよりさらに大きなアクションで演奏をしめたような気がします。満場の拍手喝さい。今まで聞いたどの拍手よりも熱かったです。勇気をもって歌い上げたことへの賞賛。ウィーン少史に残る名演といえましょう。この日都内は震度4だったそうです。

そのあと、マノロ先生は天井を見上げて両手をあげて、「こわかったよ~」とでもいうような表情でおどけて見せました。客席の緊張が一気にほぐれていきました。エンターテイナーだあ!

次の曲紹介はマグナス君。彼の声は可愛いのです。独特なイントネーションは昨年のルイス君を思い出させます。長いセリフを吶々と続けるとき、客席がなごむのがわかりますね。

「真夜中に」のソロは前回と同じフランチェスコ君。暗い感じの曲ですが、彼が歌うと個性的で雰囲気が変わるので、彼の声がいい!

「流浪の民」はソロの部分がいつも気になりますね。
たぶん、フィリップ、ミヒャエル、ラオレンツ、クレメンス&エマヌエル、エリアス、レアンダー→ フィリップ・・・そんな感じ?

エルガーの「雪」は、バイオリンの演奏が切ないです。フランチェスコとロベルトの二人が世にも美しいメロディを奏でてくれました。この曲でも演奏する二人の姿が斜め後ろ向きでありながら、弦と弓のあたり指先まで良く見えて素敵でした。

休憩が終わり席に戻ると、何だろうスポットライトの練習? 時々照明が向かい側の2階席を照らすのです。そしてずっと空席だったところにスーツ姿の人がいっぱい。一番上の段には立っている人までいます。たまたま真正面だったので、ぼっとして見ていました。

すると、どこからか「わーっ」という声、そして歓声とともに拍手が起こりました。向かい側の階段をゆっくりと降りてくる人影・・・・それは天皇皇后両陛下だったのです。
びっくりして立ちあがってしまいました。たがいの手を取りながら、ステップを降りていらしたような気がします。会場からの拍手に手を振っておこたえになる陛下と皇后様は、しばらくしてアルト側2階席の最前列で、2つの席が並んでいるところにお座りになりました。

第二部の最初の曲は「ピンク・パンサー」
まずスティーブがトライアングルを鳴らしながら、とぼとぼ歩きでアルト側から登場しました。そしてマノロ先生は様子を窺うようにきょろきょろしながらソプラノ側から登場です。その後ろにテナーホルンを抱えたパウルが着いてきました。二人とも忍び足(笑) トライアングルの音だけが聞こえます。

先生とパウルが席につくと、二人の演奏でピンク・パンサーのテーマが始まりました。

やがて、ステージの左右の扉が開いて、団員たちが指パッチンで現れました。一応ステップを踏んでリズムをとっているのですが、どこかコミカルで会場から笑う声が! 少年たちのステップに合わせて手拍子もおこりました。

次はヴァレンティン君の挨拶ですが、これがまた天使なのです。「僕たちのカペルマイスターはイタリア人です。先生に敬意を表してイタリアの音楽をお届けします」 ← 本当はもっと長い 

今回はどの少年も長いセリフをよく覚えています。感心する。

「ネッラ・ファンタジア」は、ロベルト君のバイオリン、フランチェスコ君のソロ。
動画でいろいろ見たのですが、バイオリンを用いたのは大正解ですね。流れるような旋律にバイオリンは良く合いますね。ロベルト君が小さいのでフランチェスコ君は大きく見えますが、実は小柄です。今年のコアは全体的に小さいのです。小さい私が言うのもおこがましいのですが、ホントに小さい子が多い。それでもステージでは立派に見えてしまいます。

この日も小枝君は、細い体いっぱいの情熱をこめて、私たちに歌の贈り物を届けてくれました。

   《続きは明日》 長すぎて疲れますよね。

「流浪の民」 テルツが15年前に来日したときの映像から
日本語訳が字幕で出るので、今一度かみしめてください。

ソロはルートビッヒ君、トム君、クリスティアンさん、ロベルトさん他
クリスティアンさんは、今ではテルツの指揮をしています。

 

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コメント

記事を有難う。
長過ぎても短かすぎると思うくらい一気に読みました。
こんなコンサートがベルリンにもあったら良かったのにと、羨ましく思います。
なんで日本でそんなコンサートがあるのよ~って不公平に思っています。
突然の揺れに、マノロ先生も少年達も内心はきっと怖かったでしょうね。
上を向いて手を上げて、ヨーロッパ人のする典型的な「Gott sei dank」の姿勢。
神様ありがとうって言う気持ちだったのでは。
天皇ご夫妻まで登場するこの記事には嬉しい驚きがいっぱい詰まっていましたね。
maaさんが記事を書き終わるまでの気力をこちらからも送り続けますからねheart

投稿: ponko310 | 2015年5月28日 (木) 00時54分

「Gott sei dank」だったのね。天を仰いでいたよ。
本当は怖かったのかもしれません。でもプロとして歌いきりました。
5/25のことは若干省略しつつ書き終えました。読んで下さってありがとう。12時近くなってしまいました。

投稿: maa | 2015年5月28日 (木) 23時56分

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