« ドレスデン聖十字架合唱団と森麻季さん  | トップページ | Trinity Boys Choir トリニティ少年合唱団 »

2015年12月 2日 (水)

森麻季*ドレスデン聖十字架教会合唱団 杉並公会堂

P105060301

11月30日は杉並公会堂で演奏会がありました。

会場の前のこれはイチョウの木でしょうか。とても大きな木にイルミネーションが奇麗でした。

合唱団は、"Alta Trinita Beata" 「荘厳、至福の三位一体」で、後方から歌いながらの入場。

しばらくの間静かに聴かれていたのですが、数人の拍手をきっかけに、あっというまに波のごとく拍手が沸き起こり、歌声はかき消されてしまいました。ちょっとがっかり・・・美しい旋律でハーモニーも素晴らしいだけに、静かに聴いていたかった。

ステージに上がってから、高いトーンの、でも少年ではない声が聞こえました。誰だろうと思っていましたが、プログラムのメンバーリストにカウンターテナーが一人いたので、その人の声かもしれない。 兄さま方の高音がまた美しい曲でもあります。

まっ白なピンとはった襟が本日も眩しいほどに整った制服です。地味だ~と思いこんでいたのですが、実はシルエットが美しい洗練されたデザインだと最近は感じています。

メンデルスゾーンのアンセムはクリスマスらしい選曲で前回の来日でも歌われてます。「待降節の歌」はテナーから始まりユニゾン部分が天に抜けるような曲で華やかですね。
兄さま方の声と少年たちとの声の対比がドラマなのです。兄さんといっても、その中には前回の来日でソプラノだった、まだ高校生ぐらいの少年もいますから、すごく清々しい。

コダーイのの降待節の歌「久しく待ちにし」も、中世から歌い継がれているそうで、出だしの旋律が古典的な感じ。3声らしいのですが、教会の内部だったらどんなに響くだろうと想像します。つまりカテドラルで聴きたい曲です。

「マリアは茨の森を通って行った」・・・私は「いばらの森のマリア様」と言ってます。
大好きです。ウィーン少のレコードではソロで歌われ、イエス様を抱きかかえ茨の道を行くマリア様の悲しみが漂う印象でしたが、クロイツコアの合唱は悲しみの中に崇高な響きを感じる。節ごと合唱が複雑に変わっていく変奏曲風のアレンジで素晴らしいです。

「静かに静かに聞かせて」、前回のプログラムでは「耳を澄ませて」という邦題で、ゲオルク君が歌いました。男声4部がおさえておさえて歌う中、最前列の小柄なソリストが歩み出て歌いました。これもクロイツでこそ歌える曲と言えましょう! 兄さま方の声が優しい。

次は森麻季さんの登場です。モーツァルトの「踊れ、喜べ」よりアレルヤです。

森さんはビーズの刺繍が豪華なオフホワイトのマーメイドドレスで、裾の広がりは白い柔らかそうな幾重もの羽根で飾られていました。森さんしか着れない・・・。

ちょっと気になっていたピアノの位置は森さんのためでした。
それがあるので、クロイツの最前列向かって左端の少年は、左側の座席からはピアノに隠れてしまうの。でも左側前方の通路付近の席は、森さんを見るには特等席でした。目の前にあでやかな森さん。自分のためのショーみたい(勝手に思っただけ)

前にテレビで有名なコロラトゥーラ歌手の「アレルヤ」を聴いたことがあるのですが、なんか平板でずっと同じような奇麗な声(奇麗なだけの声)だった気がしてます。トリルはすごかったけれど、他はどこも良くなかったんですね。でも森さんは声に表情があって細いけれど芯が通ってる。ど素人の私なんかが言うのもおこがましいのですが、素晴らしいアレルヤでした。

そのあと「きよしこの夜」はクロイツの合唱で。
ビブラートのない抑揚を抑えた静謐な歌声でした。余韻が奇麗なんですね、ここの合唱団は。最後の音が消えるまでの時間、拍手をこらえています。でも誰かがフライングしてしまう・・・。我慢しなさい。

珍しく・・・と感じたのは、フォーメイションを変えての演奏で、プレトリウスの「暁の星のいと美しきかな」 列の中央にいた年長と思しきボーイズ5人と兄さん4人が舞台の右端に移りました。それでもステレオ全開というほどの派手さはなく、9名の声が少し離れたところから聞こえてくる距離感が良かったです。

シューベルトの「アヴェマリア」は、わりとソロで歌われるイメージがあります。この日は純粋に美しい合唱で届けてくれました。この清楚な歌声が、次に続く森さんのソロをさらに盛り上げる結果となりました。

グノーの「アヴェ・マリア」 ♬サンタ~マリ~アのところでクロイツのコーラスが加わり、森さんのソロが映えてました。

2008年のコンサートはあまり覚えていないのですが、プログラムを見て思い出したこと。それは構成ですね。

そのときは第一部で森さんの歌が数曲あり、クロイツコアはコーラスで参加。第二部はクロイツの単独演奏でした。その結果せっかくの共演という歌い文句でしたが、コラボという印象は少なかったです。

でも今回はホントに共演です。交互に歌うことでどちらもも引き立って、やはり構成は大事ですね。

昨日貼ったYouTubeの「Abendsegen」も、それを物語っています。

森さんはクリスマスらしいグリーンのドレスで、胸にはポインセチアの花飾りをつけ、ベルベット素材の上身頃がシックで素敵。アルトとソプラノの少年たちの声も、森さんの声量に負けず良く響いていました。小柄な少年はJulian君というそうです。

プログラムには印刷されていないクリスマスキャロルが4曲追加されていました。

「子どもたちよ、さあおいで」"Ihr Kinderlein kommet" この曲で再びソプラノソロが聴けました。年少の金髪の少年で、たぶん一番小さい。はかないほどの声がコーラスに支えられて客席に届く時、自分の心には優しさが生まれたると感じました。

「ディン・ドン!空高く」"Ding dong Merrily on High"

「牧人、羊を」 "The first Noël"

「まぶねの中で」 "Away in a Manger"

どれもいい曲ですが、「Away in a Manger」の、これはキングスの演奏。イエスが厩で生まれてから十字架にかけられ救い主となるまでの人生が歌われているんだそうです。

「もろびと、こぞりて」"Joy to the World" 、「オー・ホーリー・ナイト」と森さんのソロが続く中で、クロイツのコーラスはどんどん盛り上がっていき、ついにドイツの合唱団であることを一瞬忘れました。それまで抑えめ、控えめの合唱でしたが、ここでクロイツコアの別の顔を垣間見たようで楽しかったです。

クロイツの歌声は静謐な響きで、どんなに世俗の歌を歌っても崇高に聞こえてしまう。ポピュラーなクリスマルキャロルでようやく人並みの(笑)、華やいだコーラスも聴くことができました。

ヘンデルのメサイアから「アレルヤ」

これを生で聴くのは初めてです。ピアノ伴奏が入り、迫力が有りました。やはり男声が加わると、声幅も厚みも増し容積率アップですね。素晴らしかったです。

アンコールは再び「きよしこの夜」 「からたちの花」 からたちは年配の方もよくご存じですね。・・・・・客先からもため息がもれていました。

 

Dkc20151130suginami02

杉並公会堂のまわりは、案外照明が暗いのです。

適当にシャッターを押したらリュックしか撮れてなかった。

でもリュックにはKreuzchorと刺繍で名前が入っていました。

☆ "Ihr Kinderlein kommet"でソロをやったのが、一番後ろの金髪の少年です。

Dkc20151130suginami

|

« ドレスデン聖十字架合唱団と森麻季さん  | トップページ | Trinity Boys Choir トリニティ少年合唱団 »

ドイツ・オーストリアの合唱団」カテゴリの記事

コメント

ため息をつきながらこの記事を読ませて戴きました。
クロイツコーァの日本演奏の動画は細切れで見ていましたから、華奢な森さんの素敵な印象も想像が付きます。
素晴らしく洗練された女性歌手ですね。
きっと少年たちの憧れの女性になることでしょう。
カウンターテナーは経験しませんでしたが、この記事には私の知っている昔のクロイツの姿がありました。
懐かしくて今、ボケーっとしています。
素晴らし感想をありがとうございます。

投稿: ponko310 | 2015年12月 3日 (木) 21時24分

ponkoさん コメントありがとうございます。
森さんと合唱団が和やかに笑みを交わしたり、森さんが歌うシーンで、合唱団のアルトの団員君が、彼女をじっと見つめていたのが微笑ましかった。
動画で見ましたが、森さんもインタビューで「私にとっては世界一」とクロイツのことを讃えていたのが嬉しかったですね。尊敬しあってこその共演ですし、これからも続けてほしいと思いました。

投稿: maa | 2015年12月 5日 (土) 13時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ドレスデン聖十字架合唱団と森麻季さん  | トップページ | Trinity Boys Choir トリニティ少年合唱団 »