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2016年3月 9日 (水)

ニコラウス・アーノンクール氏の死

かねてから病気療養中だったニコラウス・アーノンクール氏が、3月5日に86歳で亡くなられたそうです。

聴く音楽がかたよっているので、名前まで知っている指揮者などそんなにいないのですが、少年合唱ファンとしてはこの方なしには語れない大きな存在でした。

ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを率いて古楽器を使用し、当時の音を再現されようとするなかで、ボーイソプラノをソロとして起用した名演奏をたくさん残しています。

グスタフ・レオンハルトとのバッハ全集では、ウィーン、テルツ、レーゲンス、ハノーファーのソリストたちが大人の歌手たちと一緒に歌っています。少年合唱団はコーラスでも活躍しました。

特に1960年代後半からのバッハの録音は、ウィーンファンとして宝にも値します。

またアーノンクール氏は気にいったソリストの声を、変声前にまとめて取り置いていたというエピソードをどこかで読んだ覚えがあります。事実かどうか確証はありませんが、歌唱力のある少年との出会いが音楽を作る上で大いに必要だったと言うことですね。そしてその期待に応えられる実力を持った少年たちがそれぞれの合唱団にいたわけです。

先日バッハの続きと題して記事を書きました。その時にご紹介した「Voice of Angels」のCDも、すべてアーノンクールとレオンハルトによるものです。

spade club spade club spade

Img287

フリードリッヒ・ファイファー君(69年来日)の名前が公式にあるので聴いてください。

デュエットでアルトパートはカウンターテナーのポール・エスウッドが歌っています。ファイファー君の明るくて高らかな響きを持つ声。声そのものが魅力なのです。

カンタータ3番 Wenn Sorgen auf mich dringen 

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Img288

72年に来日したヘルベルト・ベック君のソロ。
カンタータ30番から、レチタティーヴォとアリアです。公式ではアリアだけを紹介していますが、その前の叙唱も彼のソロだと思います。

曲の最初からアップしており長いですから、ソプラノソロだけ聴きたい方はカウントを25分59秒からに合わせてください。

レチタティーヴォ: Und obwohl sonst der Unbestand
アリア: Eilt, ihr Stunden, kommt herbei

spade club spade club spade

そしてアーノンクール氏が残した少年合唱作品群の中で、忘れてならないのがビーバーのカンタータとレクイエムが収録されたアルバム。

カンタータ「三王礼拝」は、教会歴の顕現節のために書かれたお祝いの曲です。以下レコードの解説から抜粋します。

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この曲は三つの音色のグループを持っている。左右に配置されたバロック・ブロックフレーテ、バロック・オーボエ、この羊飼いたちの楽器がその単純な音色によって、降誕祭の牧歌的な雰囲気を盛りあげて行く中で、天使たちの歌うグローリアの余韻が少年合唱によって流される。

全体は六つの部分から成り、最後は聖なる三位一体を頌える賛美で結ばれる。ここには、グレゴリオ聖歌のDeo Gratiasの旋律が使われている。(解説:丹羽久雄)

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レクイエムはソプラノ2名、アルト1名がウィーン少年合唱団員、テナーとバスとの5声になっています。全曲アップされているので25分ほどありますが、部分的に切り取ることなどできない演奏なので、できれば時間を作って最後まで聴いて頂きたいと思います。

それぞれに違うボーイソプラノの声質、落ち着いたアルトの個性が大人の声と同列で複雑な重唱を奏でます。団員のうち一人はHubert Koller君とのこと。

録音は1968年4月から5月に行われました。

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ご冥福をお祈りいたします。

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コメント

私もショックを受けながら彼のニュースを見ました。
この素敵な音楽を聞きながら、この偉大な指揮者が残してくれた作品が手元でこうして聞けることに感謝せざるを得ません。
動画を載せてくれて本当にありがとう。
maaさんのお手数にはいつも頭が下がります。
ベック君の歌っている合唱曲には特に心惹かれます。

投稿: ponko310 | 2016年3月 9日 (水) 21時11分

ponkoさん お元気ですか。コメありがとう。
昨日は睡眠不足でメールチェックも怠り寝入ってしまいました。ご返事おそくなりすみません。
アーノンクール氏、近影を見るとすっかりトシをとられましたね。昨年12月から体調をくずしていらしたとニュース記事で読みました。
ベック君の声は胸にせつなく迫りますね。合唱もウィーン少ですから、当時のブルコアも歌っているかもしれません。
カンタータ全集の前半はアーノンクール指揮で主にウィーン少の演奏が多いです。膨大な量ですが少しずつ聴いていきたいと思ってます。

投稿: maa | 2016年3月10日 (木) 20時53分

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