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2016年5月 8日 (日)

WSK2016 * 5.4サントリーホール * Bプロ(1)

サントリーホールでの二日目、5月4日はBプログラムでした。

まずオリバー先生がステージに登場し、ピアノで音をとります。そして客席に向ってたちました。通路の後方を見ると、少年たちが静かに待機していました。先生の指揮とともに歌が始まりましたが、拍手をする人はなく、会場は少しざわめいた動きを見せながらも、歌いながら通路を行く少年たちの姿を目で追っていました。

曲は「息のあるものはみな、主をほめたたえよ」 "Omnis Spiritus laudet Dominum"
シュッツと同時期のドイツバロック時代に活躍したシャインの作品です。

柏公演では拍手が盛大でほとんど歌が聞こえず、どんな曲だったのか記憶も飛んでいましたが、シンプルな旋律で歩く速さの繰り返しが心地良い曲でした。4声のカノンだそうです。いつものように通路際の席で、少年たちが通り過ぎていくときに耳元に届く一人一人の声をかみしめることができました。

続いてカルミナプラーナから「おお、運命の女神よ」 銅鑼をたたいたのはハリーP君。コーラスにパワーがあって、しかも綺麗。

その後に先生の挨拶があり曲の紹介もされました。

スカルラッティの「神をほめたたえよ」 alessandro Scarlatti "Exsultate Deo" 

無伴奏四部合唱、声のみを聴き合唱の質のみで訴える曲です。シューコアの歌はみごとにそれにこたえていました。アルトの響きと明るいソプラノとの対比が美しかったです。こんな曲は教会で聴きたいですね。どんなに素晴らしいだろう。

続いてヘンデルのメサイアより、「主は羊飼いのように、その群れを養い」

デュエットは、ヨナタン君とヤーコップK君。(柏公演ではヨナタン君とイヴァン君でした)

Jonathanこれは言うまでもなく感涙の演奏です。ヨナタン君はプラグラムにソプラノと書いてありますが、落ち着いた深みのある声の持ち主で、隊の中では左側の後列でアルトパートの団員の横にいます。

Jacobk_4

ヤーコップK君は、はりのある高い声です。もしかしたらこの声は、今だから出せる声かもしれない。かつてジーノ君がそうであったように、同じソプラノでも成長ともに声質は変わっていきます。ソリストとして上手になることは嬉しいのですが、反面ピュアそのものだった声は消えちゃったと思うと寂しい気持ちになる。今このときのヤーコップ君の声を忘れないでいたいです。

Harryp_2

次の曲紹介はハリーP君。オペラ歌手になりたいと書いてありました。韓国からウィーンに渡った少年です。

モーツアルトの魔的より3人の童子による歌で「お二人ともよく来ましたね」
Seid uns zum zweinten Mal wilkommen Trio from "Die Zauberflote" K.620

Laurin_2

Lucav_2

Paul

ステージの中央に3人が並びます。左からラウリン、ルカV、パウル君。テルツのような身振りはありませんが、パウル君の高い美声をメインにルカ君のメゾ、ラウリン君のアルト、それぞれが全く違う声質なので作りだすハーモニーも個性的で楽しい。

そして「アヴェヴェルム・コルプス」 "Ave verum corpus" K.618

聴くたびに心が落ち着く。ピアノも優しく穏やかで、少年たちの歌はよけいなことを主張しない。時に複雑な声部もあると思いますが、忠実に歌いあげてくれました。演奏の最中に遠くから咳をする音も聞こえるのですが、騒音であるはずの咳さえもライブの臨場感に思え、すべてを許す寛容な心の人になれる曲です。

「フィンガルの歌」 "Gesang aus Fingal" ブラームス初期の作品。ハンブルクで女声合唱の指揮をしていた時代に書いたそう。女性3部合唱曲「4つの歌の第4曲です。
アイルランドの伝説的英雄フィンの死を悼むものと解説されています。

ブラームスの重さと哀しみをたたえた旋律で、ハーモニーが美しすぎて泣けます。ウィーン少はブラームスの合唱曲もよく歌います。昨年は「花婿」でしたね。私は「円舞曲」が一番好き。世界の曲を演奏する中で、やはりドイツの歌曲が組み込まれていると嬉しくなります。

ウェッバーの「レクイエム」より「ピエ・イエス」
Andrew Lloyd Webber、Pie Jesu from "

Paul_2

Ivan_2

Reqiuem" は、パウル君とイヴァン君の演奏でした。パウル君はくせのないハイソプラノ、イヴァン君はおさえた声質の高めのアルト。光と陰的な声のとりあわせでみごとな重唱が生まれました。

ブルクハルト「彼らは喜んで」Franz Burkhart "Exsultavit from "Six Motets

作曲したブルクハルトはウィーン少の音楽監督も務めたことがあるそうです。知りませんでした。軽快なメロディですね。ソプラノ2部とアルトで歌われているそうです。現代作家は難解というイメージがあるのですが、少年聖歌隊のために書かれた曲ということで、親しみやすく美しかった。

Bastian01_2

次の挨拶はバスティアン君。長い曲紹介をちょっと力んで話すのが可愛い。

ブルガリア民謡「カヴァル吹き」
Bulgarian folk song"Kaval Sviri" 

柏公演で初めて聞いたときも、ああ地声の歌だなと思ったのですが、地声というのはブルガリアの独特な歌唱法で、大地の力を感じるようなまっすぐな音と、ちょっと不協和音があるんですね。よくTV番組のBGMとかで使われてますよね。インパクトが強いの。

2012年のシューコアはブルガリア民謡「夢見るトドラ」を歌いました。それはフォーメイションが面白かったと記憶していますが、地声の歌ではなかった。今回は挑戦といってもいいですね。迫力があって、天使の声がこんなに変身するとは驚きです。

コープランド「街から猫を連れてきた」 
Aaron Copland, I bought me a cat from "Old American songs"

楽しい! 歌いながら動物の物まねをします。

ハリーN君→アヒル、イマヌエル君→ガチョウ、アレクサンダー君→豚、ハリーP君→牛、オリバー先生→馬、私の奥さん→ルカV君

アメリカの童謡でいろんなアーティストが歌ってる。鳴きまねは皆上手だったけど、傑作は、ルカ君の「ハニーheart02ハニーheart04」でしたね。それと先生のお馬さんも豪快でした。ピアノ弾きながら背中で馬を演じてましたよ。

この動画は合唱団ではないですが、親子で演奏してるらしい。芸達者です。

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前半の最後はスピりチャルで「ライド・オン・キング・ジーザス」 Ride on King Jesus
黒人霊歌にヨーロッパの音楽要素が加わり生まれたゴスペル。

Harryn_2

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ソロはハリーN君とイマヌエル君です。ハリー君の歌唱力はちっこいエンタメ。聴いていてスカッとします。ドラキーズのレパートリーなんか似合いそう。イマヌエル君もうまい!ボーイソプラノでゴスペルのパワーを出すのって正直難しいと思います。でもイマヌエル君の抜き出たソプラノはそれをこなしてパワー全開。ただ本人はいつも肩の力が超抜けてるように見えます。どこに隠し持っているのか、あの歌唱力。

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