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2016年6月 1日 (水)

WSK 5.31 東京芸術劇場そして Jakob・K君の声

昨夜は、東京芸術芸術劇場でウィーン少年合唱団のコンサートがありました。

プログラムはAです。

まず一番に書きたいことは、バッハのカンタータのCDを家で何度も聴いていたこと。

録音は1970年ごろで、ソロで歌われているから印象が違うと書いたことがあります。でも回を重ねるごとに自分自身のバッハを受け入れる気持ちが変わっていきました。

もともと復活祭に関連する曲なので、内容はとても大切。トマーナのマタイ受難曲に感動したのも、内容をわかっていたことが大きい。

それで最初のコンサート以来、CDを何度も聴いていました。歌詞カードはドイツ語との対訳になっていたので、それも読みました。そのせいか最後の「ハレルヤ」という言葉が、重みを増して感じます。「音」という観点だけでなく聖書の世界観を思いながら、コーラスの余韻にひたりました。

それから、もう一つは、ヤーコプK君のソロ。

メンデルスゾーンの 「主よ来たれ」で心を奪われ、先日のみなとみらいではハイドンの「来たれのどけき春」で全てを奪われ、もう奪われるものはないはずでしたが、この日別の曲を聴いてなけなしのオールド魂をも奪われました。

今の団員たち、今のソリストたちに大きな拍手を送ります。

その曲は今回のツアー以前では特別聴きたいとは思っていなかった、ドビュッシーの「春のあいさつ」です。

素晴らしいソリストが多いこのクラスですが、ヤーコプ君の声は自分にとってどつぼであります。線が細いけれどピンと張りつめた緊張感があり弱々しさは感じない。そして声が変化する。

ここです。実に表情のある歌声なのです。

絹の光沢と、宝石の輝きと、草花の優しさがある声です。今いち具体性に欠ける表現ですみません。

東京芸術劇場は、客席最前列とステージとが近い。歌声も直に聞こえます。それを知らずに昨年はアルト寄りの最前列に座っていて、ちょっと失敗だったと思いました。wowowで聴くと素晴らしいコーラスだったので、本来の音はそうだったんですね。

今回は2列目の真ん中あたりにすわっていました。その席の真ん前に、ヤーコプ君が立ちソロで歌ってくれたのです。

コンサート会場の響きというよりは、目の前で聞こえる肉声。彼の本来の歌声ですね。・・・12歳なの。わずか12歳なんです。

勿論団員たちはみな12歳前後ですけど、無駄にトシ取ってしまった自分を思うと、子供たちの可能性に驚嘆させられます。そういえば4週間の間に、曲紹介も演奏もすっかり暗記してしまったようですね。

曲によってアンサンブルで歌うソリストたちがいますが、会場によってそのメンバーは変わっているようです。それだけでなく、この日初めて聴いたのがヘンリー君のソロで「ピエイエス」

彼はアメリカ少年合唱団にいたことがあるそうです。堅さと柔らかさが混在する声。高音は堅く、中音はやわらかく、そのメゾあたりの音域が心地よくて、彼が母音の多い英語の曲を歌ったらどうでしょう?たとえば、「アメージング・グレイス」とか。

大阪公演のレポを書いてくださったファンの記事で、何人かの団員の親御さんがいらいているということを知りました。

そのうちのアレクサンダー君のご両親とバスティアン君のお母様にお会いしました。

休憩時間に一緒に写真撮影をしてくださったり、お話しをしてくださったり、暖かく接して頂けました。英語力が足らなくて会話になりませんから、ただ聴いていたにすぎないので、我ながらもったいないですね。

アレクサンダー君とバスティアン君は5歳のときから一緒なんですって。生粋のウィーン少育ちですね。

みんなで歌う「トラディギスト村のヨーデル」 。左右の2階席バルコニーに、ハリーN君とパウル君がいます。ステージには残りの団員たち。

いつものように合唱団が先に歌い、ふりかえってご一緒にというように、オリバー先生が私たちに振る。

そのとき、後方からすごいネイティブな発音のヨーデルを歌う女性の声が聞こえたのです。

実はアレクサンダーご両親とバスティアン・ママは、センター5列目くらいに座っていらした。振り返るわけにもいかなかったけれど、あの声はママたちの声ではないかと思っています。すごく上手でびっくりするような歌声でした。

2階から聞こえるハリー君とパウル君のヨーデルと、ステージの左右で歌うヤーコプK君とイヴァン君のヨーデル、すぐ後ろから届くネイティブな女性のヨーデル、合唱団の声、会場の声、全部が合わさって気持ちよかったぁ。

なのに、この日非常に残念かつ遺憾に思った・・・ぶっちゃけ、ムカついたことがあります。

演奏中に携帯が鳴ったんです。「キャロル・オブ・ザ・ベル」を歌い終えたさなかのこと。余韻は一気にさめました。それで、第二部の始まる前に係りの方が前に出て、音の出るものは電源を切るようにお願いする一幕がありました。

あたりまえすぎるエチケットです。

  • 携帯電源は切りましょう。
  • 今どきはめったにいないけれど、 バッグやお財布につけたマスコットの「鈴」には注意しましょう。

ちょっと横道にそれました。

時折「今日は疲れているかな」と思われることもありましたが、やっぱり大好き、シューコアの歌声。しいて言うなら、アフリカンミュージックは、もっともっとはじけて下され。

2012年のときは、クリストフ君とかイワン君とか叫びまくっていたよ。

アンコールは「トリッチ・トラッチ」、「セシブマ・シギヤ」でした。

帰りのバス ではみんな手を振ってくれる。
オリバー先生は胸に手を置いて、会釈してくださる。こちらこそ感謝しています。お疲れさまでした。

ヤコプ君の横にいるイヴァン君の繊細な指を見てください。彼はこの小さな手でエーデルワイスを演奏します。ギターを弾くイヴァン君を中心に、イマヌエル君のソロとコーラスが奏でる珠玉の少年合唱でした。

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コメント

キャッホーnotes
この素敵な感想記事を読んで、クリスマスに聞いたシューコアに確信を持ったことが証明されました。
それに、動画でふるさとを歌った時に伝統的なウィーン少年合唱団独特な歌声を聴きましたが、それも聞き間違いではなかったのね。
12歳と言う年齢に特別な愛着を持ちそう・・・。
こんなコンサートを体験出来てmaaさんが羨ましいな。

投稿: ponko310 | 2016年6月 2日 (木) 23時07分

ponkoさん 動画へのコメントもありがとう。
12歳はまだ充実した声ではないのかもしれないけれど、自信がついてオーディアンスに対して自分の表現ができる年齢だと思います。ヤコプ君は滞在中にもどんどん素晴らしくなっています。彼の声を今聴けて幸せ。
出待ち映像がたくさんネットに上がっていて、皆さん撮影が上手で比較にならないの。でもオリバー先生が胸に手を置いてくださったところは気に入ってます。

投稿: maa | 2016年6月 3日 (金) 07時35分

私も5月3日の公演に行ったのみですが、心を奪われたのはヤーコブ君の声だったのでmaaさんの記事を読んで嬉しく思いました^ ^ 短い期間にしか出せない透き通った、ビブラートのかかった声が素敵でしたね。Veni Domineというクラシックな選曲も彼の声にぴったりでした。他のレポも楽しく読ませていただいています!

投稿: 朗 | 2016年6月19日 (日) 10時13分

朗様 ご返事が遅くなりました。お元気ですか。
正直なところ、シューコア・ロスが続いており、ことあるごとに涙が出てしまいます。
ヤコプ君のソロの最後は、18日のAプロでしたが、前日お休みしたのはこの日に無事歌えるようにとの配慮だったのではと思います。
古いレコード録音で聴かれるような(と、私には思えた)、うるおいのある素敵な声で、忘れえぬ歌声になりそうです。
最終レポは、これからまとめるつもりです。
装飾語で繕った文章が多く、我ながら専門知識のなさを情けなく思いいますが、読んで頂きありがたく思います。

投稿: maa | 2016年6月20日 (月) 09時00分

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