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2016年12月29日 (木)

8年ぶりのパリ木(その2)* Pettis Chanteurs à la croix de bois

       

 

さて、「ラ・ニュイ」のあと、「荒野の果てに」が演奏されました。ハミングが聞こえましたね。アカペラで表現する彼らにとって、ハミングは声による伴奏でもあります。その卓越したリズム感と音の強弱は他の追随を許さない・・・と思われませんか?

 

ですが、かつての動画を見ていたら、複雑なアンサンブルが挿入されるのがスタンダードだったようで、今回のツアーでは合唱だけだったよなあと思うと少し物足りなくなりました。

 

多くを望むのは贅沢ですかね。勿論、三夜連続して歌を聴けるだけでも十分に贅沢なことだとは承知していますが、歌える子がいるのですから、子供たちの一人一人にもスポットを当ててほしかったのです。

 

この動画は2008年12月のフランス国内の演奏です。距離が遠くピントもあっていませんが、左端のソリストは来日したクレマン君ですね。美しい演奏です。

 

 

「3人の王の行進」は、兄さん組の声が力強く生かされていました。テナーだけの合唱で始まり、ソプラノが加わるという形でアレンジが面白かった。探してみると同様な動画がないんですね。ソプラノ主体が多く、今回のは珍しいのかもしれません。中央付近のテナーから、すごく声量のある声が聞こえてかっこよかったなあ・・・。かなりのイケメン君なんです(笑) ギヨーム!

 

国内ツアーには、混声ではなくソプラノ隊だけの演奏会もあるんでしょうね。ごく最近の録音ですが、こんなのがありました。

 

 

       

 

前後しますが、東京芸術劇場ではオルガニストでもあるユーゴ先生のオルガンソロでコンサートはスタートしました。NHKのテレビカメラが入っていたので、それを考慮しての演出と思われます。

 

「告別」という宮沢賢治が遺した詩の中に、光のパイプオルガンという表現があります。

 

   (抜粋) ちからのかぎり   そらいっぱいの   光でできたパイプオルガンを弾くがいい

 

高い位置から場内に響く音色は、この世に存在しない光のパイプオルガンを聴くような、心地よいひと時でした。

 

そして、「神の御子は今宵しも」でも、再びオルガンの音色にしばしゆったりした気持ちになりました。オルガン伴奏は教会でのクリスマス・ミサを連想させます。大聖堂の聖歌隊としてのパリ木の一面がときおりこうして出てくるんですね。

 

歌に続くオルガンソロは、「神の御子は今宵しも」の変奏曲でした。そのあいだ、ボーイズはその場にじっと立っています。ローブの袖にくるまれた両手を崩すこともなく、正面を見据えたまま長いオルガン演奏の背景となっていたのです。

 

光のパイプオルガンと天使たち ←  妄想がさく裂しました。

 

そのビジュアルに釘づけ。美しすぎる!
東京芸術劇場だけは3列目の通路際で、音も視覚もすごく良い席だったものですから。

 

オルガンはそのまま第二部最後の曲、サン・サーンスのクリスマスオラトリオの伴奏へと進みます。ドラマティックで素晴らしかったです。前の記事にも書きましたが、こうして振り返ると、日本ではなかなか味わうことのできない、クリスマスならではのコンサートだったということ。しかも三夜連続・・・幸せですよね。連続過ぎて、一回ごとの余韻をその都度かみしめる余裕がなかったくらいでした。

 

(それに記事を書くという意識は、ある意味邪魔です。メモなどとらず聴くことに集中せよとも思います。)

 

みなとみらいホールではアフタヌーンコンサートとして、数回分のチケットをセット券で販売しました。セット券を求めた方の多くはパリ木だけが目的ではないということです。友の会でセット券を求めた方は、おそらくコンサート鑑賞の経験値が豊富ということが想像されます。演奏後には客席からタイミング良く声がかかりました。ブラボーの声もあり、ステージと会場との関係をとてもはっきりと感じるのです。

 

そして「猫の二重唱」のときには大受け! ステージに並んだ2人の小さなソプラノ君。マクサンスは一番おちびじゃないかな。彼らは歌うときに特別な演技はしませんでした。昭和女子大ではマイクを持っていたし、みなとみらいでも胸の前で両手を組むいつものスタイルです。

 

なのですが、あの白いローブのせいなのか、不思議と猫っぽい。時々向かい合って目を合せみゃうみゃう歌う様子は、白い子猫そのもので、客席はその可愛らしさにすっかり魅了されました。笑いと拍手、そのダイレクトな反応に逆にステージの団員たちが驚いた雰囲気さえありました。

前日の昭和女子大では、1階席の空気は全くといいほど静か。それがみなとみらいでは場内爆の瞬間もありましたし、他の曲でもすごくわかり易い反応です。


「きよしこの夜」をソロで歌ったアンブロワーズは、ブラボーの声にはにかみながら列に戻っていきました。

 

クリスマス・オラトリオは、パリ木の動画がなかったので、ベルリン大聖堂合唱団の演奏で。

 

       

 

最後にアンコールについて少し。

 

みなとみらいでは、アンコールでの「SAKURA」も、場内からどよめきが起こりました。友の会の方の多くはパリ木の「SAKURA」を聴くのが初めてだったのように思われます。

 

最初のハミングのあとに主旋律がきこえ、それが日本のさくらだとわかった瞬間、さざ波みたいにざわざわっと漏れた声が伝わっていくのがわかりました。日本古来の「さくらさくら」は、たくさんの合唱団によって歌われていますが、今回のアレンジは凄いとしか言えない。力強い声と、美しいハーモニーは、「桜咲く、そして桜散る」 そのイメージそのものでした。

 

「J'etend une chanson」は、合唱のみの演奏でした。たびたび書いていますが、ソリストだったグレゴワールの声が好きだった自分は、彼の卒業後、誰がソロをやるのか気になっていました。でも今回はソロなしです。タンバリンもありませんでした。

 

「Musique Uuniberselle」のソロはアルバン君。メゾからアルトに近い落ち着いた声で、低音とソプラノとが織りなすコーラスをけん引するように、素晴らしい歌を聞かせてくれました。彼のソロ動画がいくつかあります。これは「私を泣かせてください」

 

 

初日のサイン会であるファンの一人が、若い情熱と積極性で「これが聴きたい」とユーゴ先生にアピールし、それをかなえて頂けたやり取りは感涙ものです。そんな意思表示する日本人合唱ファンがいるということを先生が理解して下さったら、またそれも嬉しいことです。

 

ユーゴさんにとって初めての日本公演ですから、手探りの部分もあったかもしれません。その中で、2日間続けてリクエストに応じて頂けました。感謝、感謝です!!!

 

       

 

 

       

「Musique universelle」  歌い続けてほしい曲


Louis!

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コメント

はじめまして。

パリ木日本公演詳細ありがとうございました。

初めてなのに、一言で申し訳ありません。

またあらためておじゃまいたします。

投稿: ねこねこ | 2016年12月30日 (金) 00時14分

ブログのアップありがとうございます。
1日目しか知らない私も2日目、3日目の様子が伝わります。

動画でアップされた2008年12月のフランス国内の演奏、一番気に入っている演奏です。
このスタイル、パリ木の魅力なんですけどね。
もう一度聴きたいです。
1980年代で何回が生で聴いて、譜面起こしをしたくなるくらい感動ものなんですよね。

ソリストたちも、支えらている感があってこそ朗々歌っているのですから。今のパリ木の子供達より、練習量も多いと思います。かなり歌いこんでいますよね。

今日2009年のパリ木を追ってみましたが、
あの頃のバランスがあるといいのかなあ。

あの頃は、低音部だけの子供達での歌もありましたね。

来年もぜひきていただきたいです。

退団した少年たち、トマソン女史の合唱団で歌っていますよね。
かつての恩師で、なじみやすいのでしょうか。

8年の歳月は長かったです。
30年前くらいから前のファンの一人として(歳がバレる!)
ずーっと応援していきたいです。

年越しで忙しいのですが、
クリスマス前に聴いたパリ木で胸がいっぱいです。

よいお年をお迎えください。

投稿: うさぎのはは | 2016年12月30日 (金) 00時35分

追伸
パリ木がアンコールのリクエストに応じてくれたこと
本当に素敵なことです。
舞台にはでてこないスタッフも理解してくださりありがたいです。

そして、歌えてしまうパリ木も素晴らしい。
母国でそういう場面を積んでいるのでしょうね。

さくらも今年の1月には完成していましたから、日本のために譜面を起こし、練習したのかと思うと嬉しいです。
「雪が降る街を」でも「蛍の光」でも良かったのに、新しくなったパリ木を披露してくれたのだと思うと感激です。

投稿: うさぎのはは | 2016年12月30日 (金) 00時49分

こんばんは
パリ木の十字架少年合唱団の歌声もとても素敵でしたね
みなとみらいの公演では声をかけてくださり、ありがとうございました!遠くて団員たちの顔はほとんど見えませんでしたが、歌声は美しく響いて、心地よかったです。
今年は多くの少年合唱団が来日してくれて良かったですね!
また来年maaさんにお会いできるのを楽しみにしています

投稿: まりこ | 2016年12月31日 (土) 19時57分

はにめまして。

パリ木のコンサート情報ありがとうございます。

とりあえず一言だけですが、失礼いたします。

投稿: ねこねこ | 2016年12月31日 (土) 23時57分

明けましておめでとうございます。
暫く御無沙汰しておりました。
昨年も、コンサートではご一緒出来ませんでしたが、色々な面でお世話になりました。今年もよろしくお願い致します。
さて・・・maaさんのブログは、PCでも携帯でも拝見しているのですが、パソコンですと、なぜかコメントに辿り着くのに時間がかかるのね。携帯は なかなか上手にコメント残せないのです(使い方が下手)。
さて、様々なコンサートのレヴューを拝読させて頂いていますが、私の中で想像しかできないもどかしさを感じつつも、maaさんがいつもコンサートを楽しんでおられるようで嬉しいです。
パリ木は、かな~り前に(まだパリ木らしい時代)生コンサートを聴きました。意外にポピュラーなクリスマス曲を歌ってくれた記憶。当時「門の立つ母」が大好きでした。
昨今のパリ木は、以前テレビでも見ましたが、少しパリ木らしい音色の変化を感じました。それでも、やはりここの合唱は独特で「パリ木」らしさを感じられずにはいられない歌声ですね。
2008年にDrakiesのオーストリアツアーに2公演ご一緒したクロードさんは、フランスからのファンで、やはり「自国のパリ木のことは応援しているよ」と仰っていましたっけ。パリ木コンサートには御無沙汰ですが、懐かしい気持ちでレヴューを拝読させて頂きました。
この曲↓・・わたしも歌い続けて欲しい!
「Musique universelle」

投稿: natal | 2017年1月 1日 (日) 14時24分

ねこねこ様 こんにちは。
3日間まとめての文章ですので、おおざっぱな感想文になってしまいました。本来なら毎日その日のことを書ければよかったのですが、夜11時半に帰宅し翌日は出勤、その繰り返しでしたので、毎日書くことはできませんでした。
それでも足跡を残して頂き恐縮です。ありがとうございました。

投稿: maa | 2017年1月 2日 (月) 04時24分

うさぎのはは様
明けましておめでとうございます。

ひとつの合唱団をずっと好きでいることは素晴らしいですね。8年という月日は本当に長くて、寄宿学校も移転し、指導者も変わりました。ツアーメンバーの構成も昔とは違うようです。
でもパリ木の本質は他の合唱団と明らかに違うと感じました。引き続き来日してくれるよう私も願っています。

投稿: maa | 2017年1月 2日 (月) 20時49分

natalさん こんにちは。
携帯表示とPC表示ではずいぶんちがいますが、ニフティブログは見づらいのですね。

パリ木は前回公演は集客があまりよくありませんでした。今回は各会場の友の会への周知や、学校公演などで人が入りましたので、演奏者にとってはよかったのではないかと思います。歌声は上級2学年の団員たちによる混声でしたから、ハイソプラノが少なく、合唱全体の仕上がりとしてはテナーやバスの響きが勝っていたかなと思います。でもやっぱりパリ木です。彼らしか作れないコーラスでした。
natalさんに見せて頂いたデルシーヌ時代の動画のような高音が出る団員はいませんでしたが、とても好きな声の子がいました。ただソリストとして、あるいは譜面のアレンジとして、活躍する場はあまりなかったように思われます。素人考えですが、場があれば子供たちは応えてくれると思うのですが。
「Musique universelle」を聴けて嬉しかったです。ソロを支えるコーラスも素晴らしく、低音部が強い今のコーラスも、力強さと繊細さが共存した美がありました。
Drakiesのコンサートではご一緒できるので、楽しみにしています。

投稿: maa | 2017年1月 2日 (月) 23時03分

まりこ様
明けましておめでとうございます。
お互いに遠い席で顔は全然見えませんでしたね。私はオペラグラスを通して時々のぞいていましたが、自分自身気が散るので、衰えた眼でステージを見ることのほうが多かったです。
でもみなとみらいホールの音響の良さを、改めて感じました。オルガン演奏がなかったのはちょっと残念でした。

福岡アクロスを手前に持ってきて、間に韓国ツアー、そして東京横浜。3日間駆け足のツアーで、団員たちも疲れたことでしょう。
今度来日するときは、東京観光もできるような日程で、また素敵な声を聴かせてもらいたいと思いました。

投稿: maa | 2017年1月 2日 (月) 23時25分

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