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2017年8月12日 (土)

ドラキーズ 日本ツアー千秋楽 文京シビックホール

ドラキーズの長いツアーも8月10日に終了し、無事南アフリカに帰っていきました。FBに香港経由の長い旅の地図が乗っていました。どうやら無事着いているようですね。

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覚悟はしていましたが、本当にすごいステージでした。第一曲目からうぉーっという声が客席から届き、時間を追うごとに彼らの表情も緊張と真剣さで鬼気迫る空気。

大使館や観光局の方がゲストで見えていたそうです。それもあり、きっと子供たちは緊張マックスだったと思います。

でもそれが彼ら独特の歌いながらステップを踏んだり、ソフトな動きで表現されていくうちに、ふわっと和やかな雰囲気に変化していくのです。

今日で最後だから見落としのないようにと、いろいろなメンバーの動きに目をやります。マイケル!今日も乗ってるね。 リース君、円らな瞳で前方を見ています。小さなセス君も、もう一人の小さな子・・・名前がわからないと思っていたけど、どうやらLukeだったみたい。地味ながら真剣なのが伝わってきます。

マックスとレファのパーカッションは史上最高にチャーミングでした。13歳の決してマッチョではない子が、第二部で続く長い連打をもろともせず、それどころか微笑みさえ浮かべて演奏してる。マックス君、MCではハスキーな可愛い声でしたね。ソリストの歌に合わせ、静岡では太鼓をたたきながらもきれいなテナーを聞かせてくれていたのはレファ君でした。

「アシンボナンガ」で語り部みたいに歌っていたオディ君は、日本で誕生日を迎え15歳になりました。あの日のHappy Birthdayも思い出に残っています。良い笑顔の少年・・・・いや青年か、厚みのある人柄を感じる素敵な15歳。

千秋楽の「アシンボナンガ」はデュエットで歌われました。交互に歌う部分が、ちょっと緊張気味で相手を伺いながらの感じでしたが、オディとジェシー君の声が合わせると一気に天井高く響き渡っていきました。そして前日と同様に、小さなヴヨ君がイェイイェイ~と、最初は彼も少し緊張している風でしたが、まっすぐに見つめた視線を崩さず、そのうち気持ちよさそうに良く透る声で歌ってくれました。

指パッチんと足踏みの祈りのダンス。ソプラノが目立つこのコアは、トレブルの良さをすごく生かした演奏をします。驚くほどそろったリズムと声と、びしっとした姿勢。不思議なもので、彼らが振りを付けながら歌うとき、真っ白なジャボ(レースの胸飾り)と青いベストがその動きをきれいに見せる。

ライオンキングのシンバはこの日もかっこよかった。飛び上がるように走り、踊る少年らしい機敏な動きが素敵。でも歌うと結構なテナーで、ラフィキのほうが高い。2人の歌は本当にうまいです。14~5歳と思えない。全員がセンターに集まり両手をあげるラストには誰もが声援をあげたくなりますね。

客席まで下りて大熱演の彼らは、いわゆる合唱団の枠に収まらない。WSKもハイドンコアが数年前にステージで大暴れしました。あの時のノリは皆さん覚えてると思いますが、それが「普通」の状態のドラキーズなのです。

「キャント・ストップ・ザ・フィーリング」 は前半グループのキーナン饅頭がすごいインパクトでしたが、後半はケビン君が大人っぽくスタイリッシュでかっこよかった。

メガネのペプ君も本当に歌がうまくて、どうどうとした体躯から時にはボリュームのあるソフトな歌声、また時には切れのある歌をきかせてくてました。

第二部でのアフリカの言葉による音楽劇は、回を重ねるごとに子どもたちの演技が「入っていった」感じでした。ヒヒだったり猛獣だったり、鳥だったりになり切る子どもたち。ライフルを持ち密猟者に変わる上級生たち。

子どもらしい声と、低く響く声、高く響く声、いつも彼らの異なった声質は、不思議にマッチングしています。ズールー、コーサ、英語 の歌。そしてダンス。もう私はガンブーツダンスなしで生きていけない人になってしまったみたい。かっこよすぎる。ミーハーなので、許してください。

私の大好きな「来たれ、明日よ」もラストになりました。 両手を広げて、顔を上気させ、瞳は輝き未来を見つめているようで、パーカッションは休むことなくなり続ける。シンバを讃える歌は元気いっぱいで生命観にあふれていました。

ツアー後半組のCathkin choirは、より具体的に見る側にメッセージを投げかけていました。ステージの動きはわかりやすく、そのぶん複雑で、どれだけリハを重ねたことかと思わせました。サイを殺されたときの年少の子どもたちが嘆く表情は、胸に杭を打たれるような衝撃ででした。

ですがYoutubeにアップされた動画を見ると、前半のInjasuthi choirによるストレートな表現も好きです。もう何十回も見ているんです。実際に見たステージを思い浮かべれば、小さい画面でも十分に堪能できる。このステージから(いや、たぶん来日前の演出時から)何度も練り直し、帰国ギリギリまで工夫を重ねていたと思われます。パフォーマンスに対するそのひたむきさが、心を打つのです。

karaoke MC: Reece、Tawanda、Max、Matthew、Liam、Michael

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ケニー先生はまだ若い。大きなツアーは大役だったと思います。でもそれはベテランのクルーガー先生も同じかもしれない。2005年の愛知博の時、大使館の招聘で急遽チャンバーコアが来日してから12年ぶりの日本公演でした。

先生は、「みなさん、お立ち下さい」 「一緒に歌いましょう!」 日本語もすらすらと言えるようになりました。でも「これからも平和の歌声をお届けします」は、なぜかラストでこけました。ケニー先生、度忘れしちゃった。笑

いや、その前に、第二部のスタートではマイクの音声が入らなかったのです。2回続けてダメだったので「はじめまして」と声を張り上げて自己紹介することになりました。

ケニー先生は「14歳で~す!」と、子どもたちのMCのマネをして言います。場内の爆笑を受け、「冗談で~~す」 これも抜群のタイミングでかわせるようになりました。すごいぞ。先生!

第二部のアフリカ音楽のあとにはアンコールがありました。そうです。「花は咲く」・・・・

「花は咲く」の演奏は、『ドラキーズのコーラスここにあり! 参上ドラキーズ』 と塀に落書きしたいくらい、その合唱の美しさを私に印象付けました。

日本中の合唱ファンに聞かせたいと心底思うのです。ポップスやアフリカ音楽、ダンス。それらは勿論素晴らしくストレートに矢で射抜かれたような衝撃でした。でも教会音楽だけが好き、美しく響く天使の声だけが好きという方もいらっしゃるでしょう。そんな方にもこの「花は咲く」は、是非聴いて頂きたかったです。

彼らの存在をもっと知ってもらうにはどうすればいいのかしら。今回公演数が少なかった東北地方の人たちにも、「花は咲く」を聞いてもらいたかった。大きなツアーは始めての新入生もいました。歌いなれてきた中堅の少年たちと、ちょっと大人になりかけた大き目の坊やたち。それぞれの違った声が、最後の  ♫花は花は花は咲く~♫ で心をこめた歌声が強く一つになったとき、どこの合唱団にもない彼らだけの声が生まれました。

ただ美しいというのともちがう不思議な歌声で、世界に一つのドラキーズの合唱なのだと思います。第一部の一曲めを飾ったモーツァルト、そこから次第に自分たちの持ち味をいかした選曲とアレンジ、パーカッションやベースの参加により、みるみるうちにドラキーズの音楽世界に、聴く人を引き込んで行きました。

そしてショショローザを一緒に歌えたことは、私にとってこの上ない喜びでした。頭の上でがしっと両手を組むポーズをやりたかったのです。両足で力強く立ち、ラストのポーズをやりたかったのです。

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前半組ではキーナン、ケイ レブ、サムケロ、アンガス君たちちびっ子が、会場でもバスの窓からも沢山の笑顔を振りまいてくれました。キーナンのダンスは最高でしたね。

今だに目に焼きついたままのンツァコ君のムーンウォークと美しい歌唱力。かっこよさを際立たせる横向きポーズの演出は、足の長い兄さんたちにピッタリでした。前半組はまたガンブーツダンスも体系がだいたいそろっていたことと、振付にキレがあって、ひとつひとつのポージングが決まっていた。

ロングショットながらYoutubeにアップされてよかったと思います。顔は見づらいけれど、パフォーマンスとして全体像がつかめるので、かえってよかったのかな。10日間で再生回数は10,000回を優に超えました。

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ドラケンスバーグは写真で見ると山ばかり。天使と大天使が奏でる至高の合唱はそんな場所で生まれているんですね。Youtubeで見続けたパフォーマンスを目のあたりにして、驚きしかなかった。WSKのマンデラダンスしか知らなかった自分は、目の前で繰り広げられる勇壮なダンスと太鼓、長靴をたたく音、カリンバの響き、すべてに目からうろこの日々でした。

でも今度聞くときは、できれば、できればドラケンスバーグでと思う気持ちがあります。生徒100人がいる学校のホールで彼らの音楽を聴いたら気持ちいいでしょうね。遠いからいつになるかわからないけれど、このトシでちょっと溜息だな。でもこんな前向きな気持ちが、自分の中に生まれたことが嬉しい。

彼らのパフォーマンスと彼らをサポートするnatalさんに感謝を込めて、ドラキーズ・ジャパンツアー2017のレポは終了です。

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なお、相模女子大グリーンホールにカメラが入っておりました。TBS系「世界ふしぎ発見」でドラキーズのライブが少しだけ放送されるそうです。9月上旬予定とのこと。クイズ番組なので、きっと本当に少しなんでしょうね。でもゴールデンの時間帯でしかも人気番組です。楽しみに待ちましょう。

2014年に亡くなったドラキーズ指揮者のChristian Ashley-Botha氏。通称バニー。今回会場で昔からのファンの方にもお会いしました。バニーが良いという声を聞きました。

録音は違いますが、この曲は会場で買った新しいCDにも収録されていました。心に残る美しい旋律です。最初のソロは、イグナスの声・・・。

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コメント

happy01おめでとう
また一つ思いいれの合唱団が増えましたね。
昔からのドラキーズファンの方の気持ちと同じになりそうですか。
本当にアフリカに行かなくてはならないような意気込みの記事にこちらまで影響されそうです。
全国を沸かせたドラキーズ、これからは日本公演は頻繁にありそうですね。

投稿: ponko310 | 2017年8月13日 (日) 15時26分

maaさん「ドラキーズ・ジャパンツアー2017レポ」本当に有難うございました。
素晴らしく圧巻なレポでした。読みながら、コンサートの様子が浮かんできて胸が熱くなってきてしまいました。私がドラキーズをサポートしてきた理由を少しでもお分かり下さったと思いますし、合唱団ファンの方々もコンサートに足を運んで頂けたこと嬉しく思います。しかし、まだ多くの音楽ファンや少年合唱、合唱に関心のある知り合いが、聴きに来られなかったようで残念です。コンサートは常に満席状態でしたが、この素晴らしいステージを聴いて欲しかった一部の知り合いは、「チケット探したら取り扱い終了だそうで」とチケット購入を諦めた方もおります。何とかライブを聴いて欲しかったなあ。どこもそうでしょうが、特にDrakiesはライブが最高です!
ところで・・・・
maaさんの「もう私はガンブーツダンスなしで生きていけない人になってしまったみたい。かっこよすぎる」う~~~ん、分かるわ。他の○○ダンスなんてのも見たことあるけれど、彼らのガンブーツは圧倒的。
でも、あんなにエネルギッシュな歌声、パフォーマンスなのに・・クラシックでは、涙を誘うような美しさです。とにかく「音楽大好き・歌が好き」な少年たち。
実は南アフリカは『歌の国』なの。
「アマンドラ・希望の歌」というドキュメンタリー映画でも『アパルトヘイト』に立ち向かう為歌で戦ったと。この圧巻な「歌歴史」のある南アフリカだからこそのドラキーズだと痛感しています。
http://natal.seesaa.net/article/12500179.html
まだまだ余韻に浸っていますが・・・私も前を向いて生きていきます(大げさ?)。

投稿: natal | 2017年8月14日 (月) 01時41分

ponkoさん どうもありがとう。
合唱団の公演は、そうですね。なかなか継続しての来日は難しいと思います。

たまたまnatalさんを通じていろいろ教えて頂いたので、遠い国の合唱団が身近な存在になりました。今年もテレビで少し放送してくれるというので、それが良い効果を生めばいいのですが。
でも気軽に来てくださいとも言えません。日本の夏は厳しいでしょ。そんな中でスケジュールをこなすのも大変だし。なのでチャンスがあれば広大な山を背景に、彼ら本来の姿が見られる場所できけたらいいなと思うようになりました。もともと大自然が好きだしね。
ponkoさんは少年合唱を聴けるチャンスがたびたびあると思うので、よかったら重い腰を持ち上げて(笑)、またウィーンでもレーゲンスでも聴きに行って、私にお話ししてください。

投稿: maa | 2017年8月15日 (火) 19時44分

maaさん
maaさんの熱い夏は去ってしまいましたが、maaさんの御心はきっといつまでもその熱さは続いている事でしょう。
心が覚えた感激、身体が覚えた感動は簡単には消える事はないものですよね。
maaさんの演奏会レポを拝読し、いろいろ教えていただきました。きっと演奏会にいらしたすべての方がエネルギーを感じ、言い方はおかしいですが、ソーラーパネルのようにその熱さ吸収して 日々の糧の大いなる力となっているのでしょう。
いつも感じる事ですが、maaさんの演奏会レポは本当に素敵です。今回の彼等のエネルギッシュなステージがスクリーンに写し出されていくようでした。
maaさん、また心の宝物を得られましたね。
その宝石箱大切になさってください。
先日、合唱団仲間だった友人とランチをしたのですがその時 友人がみなとみらいのモーコアの演奏会に行った事を知りました。何十年かぶりで聴いたWSK 彼女にも大きな感動を与えてくださったようです。

投稿: ek | 2017年8月16日 (水) 13時15分

ek様 ありがとう
ekさんからコメントを頂けると思わなかった。笑・・・笑いながら、また涙が出ちゃった。ekさんの言葉はなぜか涙腺にほらほらと指令が行ってしまいます。なぜだかわからないけど。

イギリスの伝統的な聖歌隊合唱や、ドイツ・オーストリア系の少年合唱ともちがう、どこのジャンルにも当てはまらない歌声です。ekさんのお耳には、どんなふうに届くかしら?

私は南アフリカのコーサ族やズールー族のトラディショナルにも惹かれました。素朴です。原始自分の体に懐かしさをもって、その音は聞こえてきました。

根っからこんな音楽が好きなように生まれてきたのかもしれません。モーツァルトコアも勿論大好きです。憧れの音と、身体で感じた好きな音と、どちらも大好きです。

みなとみらいでモーコアを聴かれたお友達にも、ヤコブ君のソロを聴いてもらいたかったなあ。

投稿: maa | 2017年8月17日 (木) 20時26分

maaさん
えっ~、私、maaさんに教会音楽だけが好き、美しく響く天使の声だけが好きって思われちゃっていたのかな?
決してそんな事は無いですよ~。
maaさんが書いてくださっているいろいろな音楽との出会いを心から楽しませていただいています。
ドラケンスバークの少年達の演奏は生で聴かせていただく機会こそ持てませんでしたが、maaさんをこんなに熱くさせた彼等の歌声、パフォーマンスがどんなに盛り上がり、心揺さぶるものであったかは容易に解ります。
そして 音楽の持つ偉大な力を感じさせていただいています。
もちろん、私を合唱の魅力の虜のしたのは、まぎれもなくウィーン少年合唱団の天使の歌声であったことは言うまでもありませんが、風の音、雨粒の音、お豆腐屋さんのラッパの音さえ良いな~って思ってしまう私です。
ちなみに我が家は音が溢れています。ご近所にはうるさい位かな?(笑)
弟はドラマーだったし、甥はベーシスト。
姪と義妹は保育士。
家族揃うと童謡あり、プレグレあり、教会音楽あり…様々な音楽に溢れちゃってます。(笑)

魂を揺さぶる音楽はどんなジャンルの音楽も素晴らしいものですよね。
きっと ドラケンスバークの少年達の演奏はそのものズバリなんでしょうね。
でも、maaさん、やはり私は静かに流れるモーツァルトもバッハもブルックナーも耳から放せないでいます(笑)

投稿: ek | 2017年8月18日 (金) 14時26分

ekさん そんなご家族に囲まれているんですね。うちも同じかなあ。私はピアノもギターも長続きしなかったけれど・・・。

この間カリンバという楽器を買いました。親指ハープとも言います。私はとりあえずドラキーズの動画を見てずっと弾きたいと思っていました。基本は親指ではじくだけ。
すごい人は手づくりの半音付きのアレンジしたカリンバで、Youtubeにみごとな演奏をアップしています。そんなのは全然無理ですが、いやしの音なので、時々音を出して楽しんでいます。演奏とまでいえない。音出してるだけの今日この頃。

投稿: maa | 2017年8月20日 (日) 14時49分

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