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2018年7月29日 (日)

2年ぶりのモナコ少年合唱団

モナコ少年合唱団の日本ツアーがありました。2年ぶりの来日です。

7月4日からタイ、ベトナム、韓国を経て、7月20日に名古屋空港に到着しています。おりしもカンカン照りが続いていたころで、名古屋は36度とかあった日かと思います。

日程は結構タイトでした。21日名古屋公演、22日小諸公演、23日横浜公演、大ラスは24日に国際フォーラムで行われた、玉置浩二特別公演でのゲスト出演。

コンサート活動を終えたあと、東京観光して帰国の途についたそうです。木曜日の午後には無事到着したと聞いております。

一週間の滞在だったんですね。東京方面も暑かったです。でも台風の直撃がなくてよかった。

まずはフィリアホールから。招聘元ムジカキアラさんのtwitterを拝借します。

昨年も共演したモナコ在住のソプラノ歌手、友香子クスト平盛さんとニース在住のハープ奏者睦子キュグリエッタ植松さん、ピアノの真理子ショビノー泉さんとでユニットを組んでいるアンサンブル・イリスが第一部で演奏しました。

ニースはフランスですが、モナコから車で20分くらいで行かれるのだそうです。その地域で活動するアーティストが声をかけあい、東北大震災以来演奏活動をされているそうです。

今回は平盛さんと植松さんのお二人での演奏です。

ハープは楽器として憧れの部分が多いですが、それのみで演奏を聴くことは少ないので良い機会になりました。

モナコボーイズは第二部からの出演で、単独公演ではなかったので曲数は少なかったですが、印象としては前回よりも声量が増し、上級生のファルセット(カウンターテナー)が、本格的に素晴らしかったです。

年齢構成はドイツの聖歌隊と似ていますが、ドイツの合唱団のような声幅とは違った個性を感じました。1人1人の声を聴いたわけではないですが、バスがいないんですね。

プログラムのメンバー構成を見ると、29名のうちソプラノが17人もいます。メゾソプラノは5人でアルトは7人でした。圧倒的にソプラノが多く、そのせいかハイトーンの印象が強かったですね。変声後の兄さんたちはファルセットでアルトパートを歌う感じです。

つい先日動画で聴いたトマーナにはバスの低音が聞こえてきましたが、モナコにはその部分がたぶん無いんですね。Nathan君のカウンターテナーは完璧で、コントラルト的な存在に思われます。また2016年にソロを歌ったPablo君が絶好調で、エッジの効いたソプラノが素晴しかったです。

タイでのコンサート動画があるので、ご紹介します。でもね。正直日本でのほうが上手でしたよ。実は、歌手の平盛さんもMC中に、「今日はいつもより上手ですね。」と、笑いながらおっしゃっていた。

子どもたちは、やはり旅の間にどんどん成長するのです。海外で演奏するという醍醐味を感じながら、回を重ねるたびに歌も良くなっていく。私たちはアジアツアーの集大成を聴けたんですね。

ソリストは、後列右から2人目がソプラノのパブロ君、4番目がジュリアン君。後列左から2人目がジョナサン君、その隣がカウンターテナーで群を抜いてたナタン君。

この動画で André Campraの「Tota pulchra es」 がありますね。3曲目ぐらいかな。バロックの美しい曲ですが、横浜では演奏されませんでした。聖歌隊としての本領は、こんな神の領域で発揮されます。やはり単独公演でないと、曲目はいろいろ制約されちゃいますよね。残念だな。

ハノイの教会コンサートでも「Tota pulchra es」が歌われていました。

シャルパンティエのバロックな曲やフォーレの選曲は、この合唱団ならではのプログラムでした。バッハのカンタータ「われは急ぐ」は上手でしたね。普通はデュエットですよね。それは他の少年合唱でも聴いたことがありますが、ソロとコーラスによる演奏は珍しく、かえって難しいと思いますが、パブロ君の歌は本当にすごい。華麗なるバッハでした。

「タントム・エルゴ」は優雅で好きです。これもジョナサンとパブロでしたが、ソリストたちの成長ぶりが演奏面にも反映されてますね。ブラームスも、WSKが取り上げそうな曲でしたが、ブラームスの悲壮感がなく地中海のように輝いて感じました。それはそれで、素敵じゃないですか。

第三部では、平盛さんと植松さんが再び登場しました。「さくらさくら」、ナタン君と平盛さんのデュエットで「ピエ・イエズ」 、エディット・ピアフの「愛の讃歌」など、コラボで素敵な演奏を聴けました。

フィリアホールでの最後の曲は学校のためのミサ。平盛さんの斉唱で始まり、合唱力をアピールした形になった演奏でした。そしてアンコールは「ドレミの歌」 平盛さんのソロに合唱団のコーラスで、映画を彷彿とさせ楽しかったです。

さて翌24日は、玉置浩二特別公演「THE GOLD RENAUSSANCE」でした。

第一部は玉置さんのソロ場面。私は本当に古い曲しか知らないので、一部で歌われたものはほとんど知らなかった。ちょっと自分は場違いかなって、ひたすらモナコを待ち続けました。

そして第二部。実は休憩時間にロビーでBOYSを見かけました。関係者スぺースの向こうに入り、舞台袖に入る扉の前に並んでいました。なので、次に出てくるなと期待していたのです。

彼らが歌ったのは2曲だけでしたが、これまでと違い5,000人を収容するスペースです。その広がりに乗った歌声は、天井の端までも響き渡っていきました。

最初に歌ったのは「天使の糧」 Panis Angelicusです。 ステージに登場した彼らは暖かい拍手で迎えられました。おそらくこの会場のほとんどの人が、モナコボーイズを知らなかったと思います。

隣りの席からは、「えっ、モナコから来てるの?すごいね」みたいな会話も聞こえてきました。ただ、玉置さんをサポートしているファンの方は年齢層もそれなりで、特に女性はboysを見たとたんニコニコです。

それはロビーでも感じました。開演前にエスカレータの横で彼らと遭遇したのです。あまりに近すぎて気づかないくらい。横を向いたらboysだったのです。すごく自然にエスカレータで2階に上がろうとしていました。

そのとき、エスカレータの列に並んでいた皆さんは、「可愛い!」とつぶやかれて、初めて会う制服のboysに笑みを送っていましたよ。

話がとびましたね。そう!観客の多くは、合唱団を優しく迎えていました。これはムジカキアラさんのtwitterでリハーサル風景です。本番ではいつものユニフォームでしたが、この日彼らは帰りもフォーマルなスーツでした。(ホールの規則で撮影は禁止でした。)

「清く正しく美しく」 という曲をご存知ですか?  私は知らなかった。

この曲の言葉、「清く正しく美しく」 を、玉置さんははっきりときれいな日本語で発音していました。この曲に込められた思いなのだと思います。

人に話すように「清く」 「正しく」「美しく」と、語尾を伸ばさずに歌うのです。モナコボーイズも同様にはっきりした発音で、言葉を切りながら歌っていました。

オーケストラは東京フィルハーモニー管弦楽団

すごくよかったです。この曲が持つピュアな気持ちをboyschoirに歌ってもらう、誰が考えた演出なのか、それは予想以上に効果をもたらしたと思います。

子どもたちの声は、子どもにしか出せない。それ以上の純粋さを、大人は表現できない。子どもにはかなわないですね。

人生を積んで酸いも甘いもかみ分けた玉置さんが、少年の心で歌ったあの曲を、本物の少年たちが更に透明に、さらに純粋にしてくれたような気がします。彼らにとっても、あの広い会場で日本のアーティストと同じステージに立って歌ったことは、この夏の素晴らしい思い出と経験になったことでしょう。

この合唱団の演奏に親しみを感じてきました。この子たちしか歌えない世界があります。聖歌隊であることは重要なポジションですが、モナコというお国柄が生んだ明るくフレンドリーな皆さんで、合唱にもそのカラーを感じました。2年後にまた会えますように。

最後にフィリアホールのプログラムからひとつ。

ジュリアンが子守歌を歌いました。彼は私の好きな儚い系のソロです。思い出すつもりはなかったのですが、2年前に来日したメンバーで今回来られなかった子の顔が浮かびました。普通に退団した子もいるし、それはしかたのないことですが・・・。

女性歌手の歌ですが、ジュリアン君が歌っているステージを想像して聴いてください。

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コメント

maa様
モナコの少年達のステージ報告楽しみました!
ジョイントコンサートだとそれぞれ違った感動を頂けるのですが、ちょっぴりあ~もう少し聞きたかったな~と物足りなく感じてしまう事もありますね。
モナコの少年達の歌声はドイツやフランスの合唱団とは違う独自の香りを響かせてくださったんでしょうね。
maaさんのお話にある編成の歌声ってまさにそんな感じがします。
バッハのカンタータの曲 ウィーンの森のステージを懐かしく思い出してしまいました。大好きな曲です。
今年の半年でmaaさんはすでにいろいろな音楽に出会われたのですね。
遠い旅で受けた感動と思い出は事ある毎に蘇り、郷愁に似た懐かしさを感じられる事でしょう。
maaさんの場合はその中に熱い音楽が響いているんですね。
今の日本の暑さとは違う素敵な熱さで。
maa様の素晴らしい行動力にはいつも感動しています。
次の素敵なお話はどこの風を感じられるのでしょうか…楽しみにしています。ありがとうございます!

投稿: ek | 2018年7月31日 (火) 05時49分

ekさま
素敵なコメントありがとうございます。
モナコの歌声の個性をうまく説明できなくて・・・、少しでも伝えられたらうれしいです。
韓国の動画を見ると、タイトルがMonaco Royal boys choirになっているのがあるんですね。正式にはロイヤルはつかないと思うのですが、でもモナコといえば王室、故グレース王妃。団員もおしゃれな感じで、フランスのpetits chanteursとは違った雰囲気があります。歌声もロイヤルっぽい。笑 昔のウィーンみたいに、両腕は後ろに組んで歌います。歌と同様にその様子もまた気品があります。
選曲もアレンジも、声の編成に合わせた独自な世界を持っているなと感じました。バッハは歌唱力がないと歌えない難しい曲ですよね。聴けてよかった!
毎年いくつかの合唱団が来日してくれるのは、本当にありがたいことです。これからしばらくはおとなしくしていますが、秋冬にはまた新幹線に乗る予定です。

投稿: maa | 2018年7月31日 (火) 07時34分

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