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2018年10月 8日 (月)

WSK ニューアルバム 「Strauss For Ever」 を聴きました♡

新しいアルバムが届いて、じっくり堪能できました。

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これは新しいアルバムのジャケットとなったライナーノートの表紙と、下は1999年これまでのシュトラウス録音では最後となっていたCDです。昔のCDってだいだいこんなふうに、アウガルテンの階段に並んでいるようなのとか公園で撮った記念写真的なのが多かったですね。

ルーカス・ベック氏が公式の写真を撮影するようになってからすごく変わりました。

合唱団という個人が存在しない形から、boysの個性を生かした構図が増え、今回のCDも素敵なデザインです。boys的にもいけてるヤツだと思います。

まずは録音データから。

・ ライナーノートには4人のカペルマイスターの名前が記載されています。
・ ソリストは元ブルックナーコアのRobert君
・ 総指揮は、ゲラルト・ヴィルト氏
・ オーケストラは、サロン・オーケストラ「AltーWien」
・ 録音日は、2018年3月~4月、6月

ライナーノートには録音風景の写真がたくさん掲載されています。ブルックナー、ハイドン、シューベルトの各コアの写真はありますが、モーツァルトコアはなさそうです。この撮影のときに、たまたまいなかったのかもしれないですね。特に記載はないので、全部のコアが参加したことも考えられます。

ソリストはRobert君の名前だけが書かれていました。でもソロの入る曲はいくつかあるので、すべてRobert君なのかどうか、それは不明。

ソプラノソロの声の特徴は、ビブラートがほとんどなく、あくが無く、歌い上げる感じではなく楚々とした品が漂います。でもふわふわした印象ではなく、クリアな歌い方と正確な音程で、清々しい余韻を受けました。

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トラック1「休暇旅行で」は、ニューイヤーコンサートのシーンがイメージに浮かびます。元気のいい出だし、このCDへの意気込みを感じますね。

2曲目もポルカ。この「水兵のポルカ」を初演した日本ツアーのブルックナーコア。曲を紹介したのはLeander君でした。海外ツアーのフェリーの上で、カッペを風に飛ばされたことのあるLeander。ハスキーな声を今も覚えています。

歌詞を知りたくて根性で検索していたら、・・・2015年ボミ先生時代のモーコア、アメリカツアーのプログラムがヒットしました。楽しくて♫ Ho pan pan~と、簡単なところだけ一緒に歌っています。

日本でのモーコア・コンサートでも、この曲を歌う時のお気に入り君の表情とか絶対忘れないですね。特に♫ zur Lücke zur Lückeのところ。ピンポイントで語感が好きです。

余談ですが、アメリカツアーでは、「ソーラン節」や「おおシェナンドー」、ヴェルディの「Va, pensiero」 なんかも歌っていました。

さて、軽快な曲が続いたあとに、堂々たる「皇帝円舞曲」が続きます。演奏時間は10分10秒。楽しみにしていた録音でした。

この曲は映画「美しく青きドナウ」(Almost Angels)のほぼ冒頭場面で流れ、オープニング・クレジットの中に64年組のカペルマイスターだったフロシャアウアー先生の名前があります。オールドファンにとって忘れがたい導入シーンですね。

そして現役ファンとしては、昨年のモーツァルトコアの千秋楽。会場の熱気の中で、静かに始まったルイス先生のピアノ前奏。それはツアー最後に聞かせてもらったフル演奏であり、優美なモーコアの合唱を導く最高の演奏でした。

このあとに聴くと、トラック4の「山賊のギャロップ」が短く感じますが、ライナーノートによれば、こうしたテンポの速い曲について、「複雑なルネサンスの曲よりも、歌う上では難しい」とヴィルト先生が述べられています。

コンサートであまりに易々と歌ってしまうので、つい私たちはその難しさを忘れてしまう。テンポの速い曲は子供たちが好きで楽しそうに見えますが、それは練習を重ねた成果なのです。この録音ではアルトを歌う声も聞こえて少年の快活さを感じます。BastianとJitsuhiro君がガッツで歌っていそうだね。

ハイドンらしさいっぱいで好きな動画です。


Wiener Sängerknaben / Vienna Boys Choir (official)

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「ウィーンの森の物語」の始まりは実に素敵。オケの演奏の合間に、そっとツィターの音が聞こえてきます。古い録音の「ヨハン大公のヨーデル」を思い出しますね。オーストリアらしさ100%です。それからようやく、いつものリズムで歌が始まりますが、待つ間の気持ちの高まりがいいのね。

優雅に歌う♫Lalala~のメロディ、数名のアンサンブルのような感じもする。デュエットかもしれぬ。ソプラノが少し弱いような気がしました。・・・せっかくの美しい重唱ですが、実はオケの音が少々じゃまな時もあります。
録音風景の写真ではRpbertとJeongmin君が並んでいるので、この2人のデュエットかしら?とか、妄想でおとぎ話が作れるなあ。

このCDには歌詞カードが付いていませんが、バブルの頃の日本版は豪華歌詞カードがありまして、解説も丁寧です。この部分は

♫ Lala lala lala~ Liebeslust, Liebesleid
   immer gleich jede Zeit,
   wenn der Frühling erwacht,
   holde Liebe dir lacht.

対訳は、「愛の喜びと愛の悩みは いつの世にも いつも同じ、 春がやって来た時には やさしい愛が微笑みかける」  by高橋義人

「浮気心」の原題は「Leichtes Blut」、easy-going, carefree, light of heart なのだそうで、長らくこの日本版タイトルに疑問を感じていたので、悩み解決しました。ウィーン気質を歌っているんですね。

「春の声」は、一番好きですね。アレンジがお洒落です。ソプラノとアルトの構成はわりとはっきりしていますが、ソプラノは繊細でそれを支えるアルトが安定した歌声。ソプラノ・ソロは複雑にコーラスとからみ、リズミカルで三次元的な面白さ。そのぶん歌うのはタイミングも難しいと思います。歌詞と照らし合わせて何度か聴いたけどわからん。4つ目のワルツのお終いのほうかな、♫ah ah~  あれは一人で歌っているの?と素人は思ってしまう。それとも録音技術でしょうか?(こんなオバカなこと書くと、音楽やっている人に笑われる・・・)

私が持っているこの曲のイメージは、ソプラノ歌手がトリル全開で華やかに歌い上げるものですが、このCDの春は、少年たちの合唱ありきでソロがフィーチャーされているので、さわやかさで優しいですね。これもソロが誰なのか気になりますが、Robert君だと思って聴いています。heart02

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同じような感想しか書けないので、いきなり飛ばします。

最後の曲「永遠に」は、この間も書きましたが、2013年にボミ先生のモーコアが歌いました。それが日本初演で、この年はウィーンの名曲として、シュトラウスだけで6曲歌っているんですね。今思えば、頑張ってたんだと。なんか無責任ですが、歌詞の量が多いので暗譜は大変。そういえば確かこのとき、青きドナウは短くはしょられていたような気がする。

珍しい曲とあって、この「永遠に」の歌詞は調べても出てこない。歌詞も内容もよくわかりませんが、ポルカ・シュネルで勢いがあるので、エンディングにピッタリかと。・・・ほんと、歌詞知りたい。weep  おまけに私が購入した盤はライナーノートに落丁があり、「For ever」の英文解説のページが飛んでいるんです。(交換してもらえるか問合せ中)

このCD、優雅な部分とアップテンポで軽快な部分と両面を持ちますが、全般的に「圧」がなく、何度でも繰り返し聴けます。合唱の前にオケの演奏が相当長い曲も多く、合唱曲という枠を超えて新しい展開を感じました。アレンジも重くなく、ウィーンの今の空気をまとった演奏と思います。

歌声は若々しく、少年らしい。1999年の録音も再び聴いてみましたが、大人っぽくきれいですが、没個性の歌声に感じます。昔とは発声が違うのかもしれないし、自分の耳も変わったんでしょうね。

シュトラウスを歌い継ぐのは、ウィーン少のミッションでもあります。前回の録音から20年近いブランクです。次回はまた20年後では、自分は虹の橋の住人になっているかもしれない。その時は虹の橋に集うオールドWSKに、目の前で歌ってもらいましょう。

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Robert君 ソロ ・・・・今年高校生になりました。


Chor Gesang - Das Magazin

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コメント

maa様
待ちに待ったCD、私のところにも届きました。
当時のウィーンっ子たちが踊り楽しんだというシュトラウス音楽の神髄をそのまま表現したようなCD。
プロモーションビデオや視聴で想像したとおりの出来栄えで、私の心はまさに浮き立つ「浮気心」そのものです。
来日したときはまだあどけない最年少だったロベルト君の成長も素晴らしくて嬉しかったです。
綺麗で真っすぐな少年らしい歌い方に好感がもてます。
器楽演奏も、ウィンナーワルツの庶民派フォルクスオーパーメンバーが奏でるシュトラウスで、伴奏ではなく「共演」で聴き応えがあります。
まるで全曲WSKが歌うニューイヤーコンサートですね。
彼ら不在の来年のNYコンサートを物足りなく感じるかもしれません。
次のリリースは何時になるのか?
20年後といわず、近々の第二弾を期待したいです。

投稿: ABC | 2018年10月11日 (木) 22時19分

ABC様 お聴きになりましたね!
全曲がニューイヤーコンサート。まさにそんな感じです。これまでに6回出演しているそうですが、せめて一年おきに、私たちのお正月をワルツとポルカで彩ってほしい。

毎年来日するようになって、メンバーの成長も楽しみになりました。今回の録音に参加している子どもたちが全く見知らぬ合唱団員であるよりは、記憶に残るあの顔、この声、それが歌をきくごとに蘇ってずっと心が躍りますね。
解説の冊子に載っていた録音風景が、メイキングのビデオにでもなって付録についてくれたら楽しいのに・・・と、見果てぬことを考えたりもしていました。

前回からの20年というスパンはちょっと長すぎと、私も思います。次はいつになるでしょうね?


投稿: maa | 2018年10月13日 (土) 03時15分

maa様
もしかしたら、台湾遠征中かと思っていました(^^♪
WSKは文化遺産でもあるし、NYコンサートには、また近々出演して欲しいですね。

実は、彼らの映画製作が進んでいるという記事を読みました。
真相は不明ですが、

「StudioCanal Australiaは、ウィーン少年合唱団の実話に基づく新作"Vienna Boys Choir"の開発に入っているようだ。Keith Thompsonが脚本を執筆する模様。 (THR)」

記事はこれだけで、どのような形のものかも日本向けがあるのかも(リージョンや字幕など)何もわかりません。
しかし、名前まで出ていてかなり具体的でしょ?
実現すればいいですね。

投稿: ABC | 2018年10月13日 (土) 14時30分

ABC様
笑笑 日本におります。わけあって締めに追われ、火曜日までは多忙の日々です。ファン友さんは行っている人もおられます。

映画の件ですが、これではないでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=bBuoUHp3Xh8

英語力がなくて・・・。でも1939年20人の若い少年、第二次世界大戦、ナチスという言葉は聞こえます。大戦前夜オーストラリアツアーに出たboysが、母国へのナチス浸出により帰国できなかったという事実を友人から聞きました。家庭の事情により一人を除き、全員がオーストラリアに残ったそうです。その後は里親さんの元で暮らしたということです。
今は映画化が進んでいるのであれば、公開のこととして踏まえてもいいのかな。よくわかりません。
およそ80年も前ですので、boysは健在でも90歳以上の高齢です。

投稿: maa | 2018年10月13日 (土) 21時09分

maa様
締め切りに追われご多忙なときに度々失礼します。
返信はお時間があるときに、お気兼ねなく。

さすがmaa様よくご存じですね、会社や脚本家名からしてそうではないでしょうか。
私もその話は何かで読んだ(聞いた?)ことがあって、漠然とは知っていました。
当時の彼らが90歳くらいとは、既にほとんどの方が名実ともに天使さん。
映画となれば、かなりシビアな部分を持った内容ですが、こちらも新CDと同じく新しい形でWSKがアピールされそうですね。
日本上映の有無もわかりませんので、DVD化(日本向け)でも期待して、ゆる~くおとなしく公開を待つとしますか。

投稿: ABC | 2018年10月13日 (土) 23時23分

ABC様
土日はきっちりお休みなので、こんな夜中までうだうだしております。
ブロ友さんにもお話ししたのですが、オーストラリアに行ったウィーン少年合唱団は、ひょっとして、「もうひとつの」ウィーン少かもしれない。あくまでも、かもしれないという推測ですが、当時、指揮者と団長との意見の相違があり、ウィーン少がもうひとつ、その指揮者の手で作られたそうです。名前にはモーツァルトの文字が入っていたそうですが(現在のウィーン・モーツァルト少年合唱団とは異なります)、当時の遠い海外の目からすれば、本家ウィーン少年合唱団との区別がされなかった可能性もあります。帽子の文字は少し違いますが、セーラー服は同じでした。勿論実力も素晴しかったそうです。

そう仮定すると、現在のウィーン少がこの過去の事実について全く触れていないことにも納得がいきます。
時代に翻弄された団員たちですが、オーストラリアでは幸せな人生を送ったとか。このことを公言したのも、元団員の娘さんだったと、ブロ友さんから聞きました。参考まで・・・・・。

投稿: maa | 2018年10月14日 (日) 02時04分

maa様
一晩のあいだにすごい情報をありがとうございます。
さすがのネット社会、ブロ友様にも感謝です。
ifのお話しにしてはとても具体的で、戦争、お家騒動・・・・・長い歴史のあるWSKに様々な出来事があってもおかしくはないですよね。
改めて世界がずっと平和であってほしいと願うと共に、お家騒動後のどこかの老舗のように、こちらは元祖、あちらは本家など、名前の前に不明瞭な文字が付いて残らなくてよかったと思います(笑)
どうであれ、これからのWSKの動きが気になるところですが、激動の歴史的「作品」としてはかなり期待できそうですね。

投稿: ABC | 2018年10月14日 (日) 13時07分

ABC様

戦争前夜にWSKがオーストラリアツアーを行ったという事実はなさそうですね。彼らとしてはシンプルに、この合唱団は自分たちのことではないと言うでしょう。もっと多くの説明まで言及されるかどうかは、全然わかりません。

今は存在していない少年合唱団なのですから、過去の出来事としてウィーンを出た少年たちの数奇な人生がそこにあった。・・・WSKに固執せずとも、良い作品になると思います。

投稿: maa | 2018年10月16日 (火) 19時20分

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