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2019年3月31日 (日)

「きよしこの夜」Sttile Nacht, Heilige Nachat

今日は一つの曲ばかり張り付けたので、たぶん途中で飽きます。昨日は編集作業が楽しかった自分も、今読み返してみると、「お腹いっぱい」の感じです。(やれやれ、これでも動画を減らしたのです)今日は忍耐と意地が必要です。

さて、「きよしこの夜」でずっと疑問に思っていたことがあります。

この曲は世界中で歌われ各国の言葉にされていますが、オリジナルはドイツ語です。なので、どういう切り口で調べればいいのか悩み、そのうち調べるのもめんどくなってしまいました。そこで私は、疑問を解決しないまま、疑問としてここに投げることにしました。

まずこれは、ウィキから借りてきたパブリックドメインの楽譜です。著作権なしのヤツです。

これがグルーバーさんが書いた「Sttile Nacht, Heilige Nachat」の自筆の譜面なんですって。

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Stille nacht.jpg

By Franz Xaver Gruber (1787–1863) -  Link

疑問その1は、ときどき音符が違う。

疑問その2は、抜けている言葉ある。

疑問その3は、最後の歌詞が違うことがある。

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グルーバーさんの楽譜で、上段のまんなか辺りが、Alles schläft, einsam wacht の部分です。日本語だと「星は~ ひかり~」が来るところ。

私たちが歌うとき、♪星は~の「ほ」と「し」は同じ音程で、「は」で下がる。それが上の楽譜では違っています。そのほかにも、よく聞いていると数か所音符が単純になっているようです。歌いやすいように変化しているんでしょうかね。

そしてこの動画で歌われている旋律がグルーバーさんのオリジナルだったとわかります。ウィキには『ウィーン少年合唱団の録音の中には、オリジナルの楽譜で歌われているものがある』と書かれていました。

1988年の録音です。

グルーバーさんの自筆はシンドイので、この動画をじっくり眺めて音符と歌詞を頭にとめおいてくださいね。ここから始まります。

 

♪♪ ♬♪ *  ♪♪* ♬♪

疑問その2、抜けている言葉とは「hoch」です。

子どもの頃市販の歌集に書いてあったカタカナのドイツ語で歌詞を覚えたことがあります。ところがある日、レコードを聴いていたら何か違う。歌詞が一言足らなかったんですね。

それは日本語歌詞では、「すくいの御子は」の部分です。

Nur das traute, hochheilige Paar,   赤色で示したワード「hoch」が歌詞カード自体に入っている時といない時があるのです。hochhilige paar 神聖な両親・・・と訳されていましたが、hochがなくても意味は通じるのか。????? ←自分の頭の中はこの状態

古くなってしまった言葉が変えられて行ったとも書かれていました・・・。

「hoch」が歌詞にあり「星は~」のメロディも普及的に演奏したのが、1957年録音のランク隊や56年のブレン隊でした。合唱だけの静謐な世界。1974年ギレスベルガー指揮の「きよしこの夜」も合唱のみの演奏で、手持ちのレコードを聴いてみたら「hoch」ありでした。メロディは日本語で普通に歌うときのものと同じで、歌詞は6番まであるうちの、1番6番2番の順で歌っていました。

♪♪ ♬♪ *  ♪♪* ♬♪

 

疑問その3の最後の歌詞というのほ、「キリスト」か「イエス」かの違いです。

Christ, in Deiner Geburt! 」 の場合と、「Jesus, in Deiner Geburt!」 があるのです。

どうしてなのでしょうね。場合によっては2番をJesus、3番をChristで歌っている録音もあるので深い意味はないと思うけど、よくわからず。

 

♪♪ ♬♪ *  ♪♪* ♬♪

パイプオルガンで始まるゆったりした演奏は、「ウィーンの聖きクリスマス」という1950年代終わりごろのLPレコードで、マイヤー指揮の録音です。[hoch」ありの普及版メロディ。歌詞は1番6番2番で、最後が  「Christ, in Deiner Geburt! 」と歌われています。

♪♪ ♬♪ *  ♪♪* ♬♪

あんまり古いのばかりだと、現役系の人がついていけないと思うので、最新クリスマスCDから先代モーコア。最後にモグモグしている子、フローリアンですね。全然卒業前とイメージがちがう。黒縁の四角いメガネが印象を変えていたみたいです。笑

これは画面に歌詞つきだったのでラッキーでした。「hoch」がないタイプです。メロディはオリジナル版。

 

♪♪ ♬♪ *  ♪♪* ♬♪

 

1960年頃のLPレコードでエーリッヒベンダー児童合唱団とのカップリングになっているものがあります。B面だけがWSKなんですね。

個人的にはこのゆったりしたテンポと個性のある歌声が気に入っていました。

この録音では「hoch」は省略されて、歌詞は1番6番2番の順で歌われ、最後の歌詞は「Jesus, in Deiner Geburt!」 です。
音源が古いので後半すこし音が切れますがご容赦ください。

★追記:この録音はランク隊と判明しました。良く見たらレコードに書いてあった。ランク隊と言われて感じたことですが、LP「ヨハン大公のヨーデル」のB面にあるランク指揮の数曲と合唱の印象が似ています。ソプラノソリストの声高めで高音が細い。同時期の録音かな?

 

♪♪ ♬♪ *  ♪♪* ♬♪

次は最近の「Gute Hirten」からの抜粋です。今聴いたばかりの60年前の録音と比べると、すべてが違い過ぎて驚きます。

このCDはライナーノートにソリスト名が入っていました。ソプラノはハイドンコアのジーノ君。アルトがルーカス君だと思います。ギター伴奏は、日本で初めてエーデルワイスの弾き語りをしてくれたタミーノ君です。WSKの弾き語りがステージで見られた記念すべき2014年だったね。

この録音ではメロディはオリジナル、歌詞は「hoch」なし、1番2番6番が歌われ、最後は「Jesus, der Retter ist da!」

♪♪ ♬♪ *  ♪♪* ♬♪

ここで一息ついて、最初の楽譜つきの動画を思い出してください。忘れちゃった?

長かったと思いませんか?実は1番から6番までフルで歌われていたんですね。今回たくさんの録音を聴いた中では、6番まで歌っているのはひとつだけでした。レア中のレアかもしれない。

 

♪♪ ♬♪ *  ♪♪*

そして最後は、やはりモーコアにたどり着きました。彼らの演奏は「hoch」なし、歌詞は1番2番6番で、最後は「Jesus, der Retter ist da!」です。

この演奏には、唯一無二な点がひとつあります。全コーラスで同じ箇所に聴かれた「歌い方」でした。

説明しやすい箇所は3番の「♪Durch der Engel Halleluja 」の部分かな。ハレルヤの「ハ」の音が強く次の「レ」との間に休符でもあるようにふわっと空気を含んで聞こえます。歌詞はアレルヤではなくハレルヤと発音していました。子音の方がはっきり聞こえますね。それは私のかってな解釈ですが、結果として表情のある優しい演奏になりました。

そうやって歌っているコアは、今までひとつもなかったと思います。

YouTubeで今一度聴いてください。聖夜に空から舞い降りた天使たちが歌ってくれていると思えるくらい、あの子たちの歌声は私の宝です。 💕

https://www.youtube.com/watch?v=DxZGYah7vs4

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コメント

 さっそく私の疑問に答えてくださり、感謝です。しかも私の疑問の数倍の詳しさでもう驚きです。さすがはmaaさんです。
 私がラング隊と言っていた演奏はエーリッヒ・ペンダー少年少女合唱団とカップリングされていたものです。手持ちのレコードには指揮者ラングと書いてありました。それにしてもウィーン少だけでこれだけの録音があるのですね。ラング隊だけでも二回録音してたのですね。
 普及版、オリジナル版、どちらも魅力的です。私見としてはオリジナル版は厳かで敬虔な雰意気、普及版は明るく伸びやかな印象を持ってます。
 紹介した動画の中ごろにでてくるドイツの合唱団が歌っている場所が初演された教会のようですね。もっとも建物は違うようですが・・・。88年組同様にギター伴奏で初演を踏襲してますが、88年組のほうがより初演に忠実な演奏で、興味深かったです。もしかしてチェンチッチもいるのですか?
 モーコアの実演は素晴らしかったのでしょうね。遥々出かけた甲斐がありましたね。ましてmaaさんにとっては、ゴドイ隊を聞く最後のチャンスだったわけですから。

投稿: ヤマチャン | 2019年4月 3日 (水) 16時52分

ヤマチャン様

あの「きよしこの夜」はランク隊だったのですね。ジャケットには記載がなく、まさか・・・と思いましたがレコードのレーベルの部分を見てら、なんとG Langと書いていありました。びっくりです。そういう小さなヒントから、あの時代のフィリップスのベストアルバムをもう一度聴いてみようという気持ちになります。
88年の録音は、実はCD本体には90年3月と書いてあります。どこかにこの曲は88年と言う情報があってそちらを選びましたが、90年かもしれません。指揮はハラー先生です。この録音のイメージは、作られた当時の状況を忠実に物語っているようですね。
時代はマックスの全盛期ですが、録音に参加していたかどうかはわかりません。優れたソリストが多かったようで他のソロ曲もきれいですが、マックスではなさそう。どうでしょう? 視聴できますが。
https://www.amazon.com/Christmas-Vienna-Boys-Choir/dp/B00000412Z

投稿: maa | 2019年4月 3日 (水) 22時19分

maa 様、ヤマチャン様

皆様の熱心な聴き方にびっくりしました。私など、ただ「いいわ~、ステキだわ~」と聴いていただけなので恥ずかしくなりました。 皆様の「研究」によると、私が初めてレコードで聴いて今でも一番好きなのは、エーリッヒ・ベンダー児童合唱団とカップリングになっているという録音です。そうです、あのゆったりとした歌い方が良いのです。 これはラング隊だったのですね、教えていただけてうれしいです。ラング隊って60年代で唯一来日しなかった隊ではなかったでしょうか。

投稿: 1964-1967 | 2019年4月 6日 (土) 02時15分

>1964-1967さま

私のは子供の自由研究みたいなものなのですが、ヤマチャンさんは本当に詳しくご存じだと思います。
クリスマスアルバムは各時代に出ているし、たまたま歌詞に興味をもったから調べられたのですが、ほとんどの曲はもっとシンプルにただ聴いているだけが多いですよ。ガーデニングのBGMとか、そんなくらいの感じです。ランク隊は61年に来日しています。

投稿: maa | 2019年4月 6日 (土) 10時02分

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